531.画面越しの“場”を読むということ(Zoom学習会で感じた、伝えることの難しさ)

先日5月19日、AIコーチングと人間のコーチングについての学習会を、Zoomで2時間ほど行いました。

自分は仕事でも、ホールで複数の方に説明をする機会があります。
また、コーチングでもZoomを使っているので、オンラインで話すこと自体には、ある程度慣れているつもりでした。

ノートパソコンにマルチディスプレイも準備し、できるだけ万全の体制で臨みました。

ところが、実際に始めてみると、改めてZoomで「伝える」ことの難しさを感じました。

反応が見えない中で話す難しさ

Zoomでは、ギャラリービューにしていれば参加者さんの顔は見えます。

けれど、説明をしている時には、どうしてもパワーポイントの資料を見る時間が多くなります。
さらに、参加者さんの音声をミュートにしていると、相づちや小さな声の反応も聞こえません。

すると、話している側としては、だんだんと独り言を言っているような感覚になります。

対面であれば、うなずき、表情、姿勢、ちょっとした空気の変化を感じ取ることができます。

しかしオンラインでは、その情報が一気に少なくなります。

「伝わっているだろうか」
「今の説明は良かっただろうか」
「少し早口だったかな」

そんなことを感じながら話していました。

慣れていると思っていたZoomでしたが、今回あらためて、オンラインで場を読むことの難しさを実感しました。

マルチディスプレイでも起きた落とし穴

今回は、ノートパソコンにマルチディスプレイをつなぎ、パワーポイント資料もきちんと映せるように準備していました。

ところが、パワーポイントの映写方法をマルチディスプレイ用にしたことで、画面の切り替えが思ったようにいかない場面が幾度となくありました。

また、視線は実際はカメラに向けていて、カメラの先にギャラリービュー画面を置くような工夫をしていたのですが、資料を映して共有すると、どうしても資料に目が動いてしまったり、カメラの陰に隠れている資料部分を覗くように見てしまったりしていました。

準備したつもりでも、実際の本番では細かな操作が負担になることがあります。

特にオンラインでは、

資料を見る。
参加者を見る。
チャットを見る。
画面共有を確認する。
時間を見る。
話の流れを組み立てる。

これらを同時に行う必要があります。

一つひとつは小さなことでも、本番中には大きな負荷になります。

「機材を整えること」と「場を整えること」は、似ているようで少し違うのだと感じました。

テアトルアカデミーの先生のすごさ

その時、ふと思い出したのが、現在レッスンを受けているテアトルアカデミーの先生の姿です。

先生は、複数の生徒の演技を見ながら、一人ひとりの様子をしっかり観察されています。

声の出し方。
表情。
立ち方。
間の取り方。
視線。
相手との関係性。

それらを見たうえで、的確にフィードバックされます。

今までもすごいと思っていましたが、自分がZoomで話す側に立ってみて、改めてそのすごさが分かりました。

人の様子を見る。
場の空気を受け取る。
その人に必要な言葉を返す。

これは、簡単なことではありません。

しかも、複数の人を同時に見ながら、それぞれに合ったフィードバックをするというのは、まさに専門的な技術だと思います。

コーチングにも通じる「観察する力」

今回の経験は、コーチングにもつながると感じました。

コーチングでは、相手の言葉だけでなく、表情や声のトーン、沈黙、間、ちょっとした違和感を大切にします。

対面であれば自然に感じ取れるものも、オンラインでは意識しないと見落としてしまいます。

だからこそ、Zoomでのコーチングや学習会では、いつも以上に「観察する力」が必要になるのだと思います。

話すことに集中しすぎると、相手を見る余裕がなくなります。
資料を進めることに意識が向きすぎると、場の変化を感じにくくなります。

伝える力だけでなく、受け取る力。
説明する力だけでなく、観察する力。

オンラインの場では、その両方が求められるのだと感じました。

Zoomで話す時の小さな工夫

今回の経験から、次に向けていくつか工夫できることがあると思いました。

まず、資料はできるだけシンプルにすることです。

資料を読み上げる時間が長くなると、参加者さんを見る時間が減ってしまいます。
資料は、話す内容のすべてを載せるものではなく、参加者さんが理解しやすくなるための補助として考えるとよいのかもしれません。

次に、途中で意識的に反応をもらうことがあれば良かったかなとも思いました。

「ここまで大丈夫でしょうか」
「チャットに一言入れていただけますか」
「分かった方は両手で丸をいただけますか」
「リアクションボタンで教えてください」

このような小さな確認を入れるだけでも、話す側は独り言の感覚から抜け出しやすくなりそうです。

また、画面共有の方法は、事前に実際の環境で試しておくことも大切です。

マルチディスプレイを使う場合は便利な反面、画面の切り替えや表示先で迷うことがあります。

本番前に、

どの画面を共有するのか。
発表者ツールを使うのか。
参加者の顔をどこで見るのか。
チャットはどこに表示するのか。
自分の手元資料はどこに置くのか。

ここまで確認しておくと、当日の安心感が違ったなと思います。

そして何より大切なのは、完璧に進めようとしすぎないことかもしれません。

少し詰まっても、切り替えに手間取っても、それも含めて場の一部です。

大切なのは、参加者さんと一緒にその時間をつくっていくことだと思います。

伝えるとは、反応を受け取りながら進むこと

今回のAIコーチング学習会を通して、オンラインで伝えることの難しさを改めて感じました。

けれど、それは失敗というより、大切な気づきを与えてくれた学習会だったと思います。

伝えるとは、一方的に話すことではありません。
相手の反応を受け取りながら、少しずつ進んでいくことです。

対面でも、オンラインでも、それは同じです。

ただ、オンラインでは反応が見えにくい分、こちらから意識して場を見にいく必要があります。

話す力。
見る力。
聴く力。
受け取る力。

そのすべてが重なって、ようやく「伝わる場」が生まれるのだと思います。

テアトルアカデミーの先生のフィードバックを思い出しながら、自分もまた、場を観察する力を磨いていきたいと感じました。

Zoomの画面の向こうにも、人がいます。

その人たちの小さな反応を感じ取れる自分でありたい。

そして、伝えることを通して、共に学ぶ時間をつくっていきたいと思います。

Zoom学習会・オンライン講座前のチェックリスト

最後に、今回の経験をもとに、次回に向けたチェックリストを作ってみました。

機材・環境のチェック

□ パソコンの充電、電源接続はできているか
□ インターネット接続は安定しているか
□ Zoomのカメラ、マイク、スピーカーは確認したか
□ 画面共有する資料はすぐ開ける状態になっているか
□ マルチディスプレイの表示位置を確認したか
□ どの画面を共有するか事前に決めているか
□ 発表者ツールを使うか、使わないか決めているか
□ チャット欄をどこに表示するか決めているか
□ 参加者の顔を見る画面を確保しているか

資料・進行のチェック

□ 資料は詰め込みすぎていないか
□ 1枚のスライドに文字を入れすぎていないか
□ 話す内容と、資料に載せる内容を分けて考えているか
□ 途中で参加者に問いかけるポイントを決めているか
□ チャットやリアクションを使う場面を決めているか
□ 休憩や間を入れるタイミングを考えているか
□ 時間配分に余裕を持たせているか
□ 予定通り進まなかった時に削る部分を決めているか

場づくりのチェック

□ 開始時に安心して参加できる雰囲気をつくっているか
□ ミュート、チャット、リアクションの使い方を説明したか
□ 参加者が反応しやすい問いかけを用意しているか
□ 一方的に話し続けない工夫をしているか
□ 参加者の表情を見る時間を意識しているか
□ 沈黙を恐れすぎていないか
□ うまくいかない場面も、落ち着いて扱える心づもりがあるか

自分自身のチェック

□ 完璧にやろうとしすぎていないか
□ 資料ではなく、参加者に意識を向けているか
□ 伝えることだけでなく、受け取ることを大切にしているか
□ 操作に迷った時、正直に伝えられるか
□ 参加者と一緒に場をつくる意識を持っているか
□ 終了後に、何がうまくいき、何を改善するか振り返る時間を取るか

オンラインでの学習会は、機材の準備だけではなく、場を読む準備も大切です。

次回は、このチェックリストを手元に置きながら、もう少し参加者さんの反応を受け取りやすい場をつくっていきたいと思います。

この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・

今日も佳き日に
コーチミツル

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