459.【全20回シリーズ】第12回 第10条「忿(ふん)を絶ち瞋(しん)を棄(す)てよ」の意味(聖徳太子の十七条憲法とは何か ― 国家を支える倫理を読み直す)

十七条憲法の第10条には、次の言葉があります。

忿を絶ち瞋を棄てよ

読み方は

忿(ふん)を絶(た)ち、瞋(しん)を棄(す)てよ

意味は

怒りの心を断ち、怒りを手放しなさい

ということだそうです。


忿と瞋の違い

この条文を読んで、自分はまたはるさんに聞いてみました。

忿と瞋、どちらも「怒り」ですが
何が違うのでしょうか。

はるさんはこう教えてくれました。

忿(ふん)

外に表れる怒り
感情が爆発する怒り

瞋(しん)

心の中にある怒り
恨みや憎しみ

つまり

外に出る怒りも
心の中の怒りも

どちらも手放しなさい、ということだそうです。


人はそれぞれ考えが違う

さらにこの条文には、続く言葉があります。

人皆心有り
心各執るところ有り

つまり

人にはそれぞれ心があり
それぞれ大切にしている考えがある

という意味です。

だからこそ

彼是(ひぜ)有り

人それぞれに
「正しい」と思うことがあるのです。


自分だけが正しいわけではない

さらに印象的な言葉があります。

我れ必ずしも聖にあらず
彼れ必ずしも愚にあらず

意味は

自分が必ず正しいわけではない
相手が必ず間違っているわけでもない

ということです。

この言葉を聞いて、自分は少し驚きました。

1400年以上前に

こんなに冷静な
人間理解が書かれているのです。


現代にもそのままある怒り

現代でも

  • SNSの言い合い
  • 職場の対立
  • 人間関係の衝突

多くのトラブルは

「自分が正しい」
という思いから生まれることが多いように感じます。

しかし聖徳太子は

まず

怒りを手放しなさい

と言い

さらに

自分だけが正しいと思うな

と伝えているのです。


コーチングでも同じ

コーチングでも

相手を理解することが
とても大切だと言われます。

相手の言葉の奥には

  • 大切にしている価値観
  • 不安
  • 想い

があるからです。

怒りの奥にあるものを見ることができると
対話が生まれることがあります。


1400年前のメッセージ

十七条憲法を読んでいると

制度というより

人の心の整え方

が書かれているように感じます。

国をまとめるためには

まず

人の心

が大切だと考えていたのかもしれません。


この条文を読むと、こんな問いが浮かびます。

自分だけが正しいと思っていないだろうか。


この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・

今日も佳き日に
コーチミツル

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参考文献

  • 『日本書紀』巻第二十二(推古天皇十二年条)
  • 倉本一宏『聖徳太子の真実』講談社現代新書
  • 梅原猛『聖徳太子』集英社
  • 末木文美士『日本仏教史』新潮選書

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