
はるさんが、次の条文を教えてくれました。
十七条憲法 第十一条
「功過を明らかにし、賞罰を必ず当てよ」
少しやわらかく言うと、
功績があれば正しく評価し、過ちがあれば正しく正す。
という意味になります。
一見すると、とても当たり前のことのように感じます。
しかし、この「当たり前」が実はとても難しいのだと思います。
人は公平さにとても敏感
人は、自分がどのように扱われているかにとても敏感です。
心理学には 公平理論(Equity Theory) という考え方があります。
人は無意識に
- 自分の努力
- 得られる評価
- 周囲の評価
これらを比べて、
「公平かどうか」
を感じ取っています。
もし
- 頑張っても評価されない
- 努力していない人が評価される
そんな状況が続くと、人のやる気は自然と下がってしまいます。
聖徳太子は、
こうした人間の心理をすでに見抜いていたのかもしれません。
今の会社組織でも起きていること
これは、現代の会社組織でも同じことが起きます。
例えば
・頑張っている人が評価されない
・声の大きい人だけが評価される
・静かな努力が見えない
こういう状況では、
組織のエネルギーは少しずつ下がっていきます。
人は、自分の努力が見られていないと感じると、
やがて力を出さなくなってしまうからです。
逆に
・行動がきちんと見られている
・成果がきちんと評価される
そんな環境では、人は安心して挑戦できます。
すると結果として、
人は自然と成長していきます。
コーチングでは「評価」ではなくフィードバック
コーチングの世界では、
人を評価することよりも
フィードバック
という考え方を大切にしています。
フィードバックとは、
感情に支配されたり、
好き嫌いで判断するのではなく、
起きている事実を客観的に伝えること
です。
そして、
「あなたはどう考えますか」
と問いを返すことで、
本人が自分で考える機会を提供します。
評価を押しつけるのではなく、
事実を伝えて、考える機会を渡す。
これがコーチングの大切な姿勢です。
公平さとは「事実を見る力」
聖徳太子が言った
「功には賞を、過ちには罰を」
という言葉も、
単に人を裁くという意味ではなく、
事実をきちんと見ること
の大切さを示しているようにも思います。
人の感情や好き嫌いではなく、
起きていることを正しく見る。
その姿勢があるからこそ、
社会にも組織にも信頼が生まれるのだと思います。
1400年前のメッセージ
十七条憲法は、今から約1400年前に作られました。
しかし、
努力が正しく評価されるのか。
過ちはきちんと正されるのか。
この問いは、
現代の社会でも変わらないテーマです。
公平な社会とは、
人の感情ではなく
事実を大切にする社会
なのかもしれません。
この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・
今日も佳き日に
コーチミツル
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参考文献
- 『日本書紀』巻第二十二(推古天皇十二年条)
- 倉本一宏『聖徳太子の真実』講談社現代新書
- 梅原猛『聖徳太子』集英社
- 末木文美士『日本仏教史』新潮選書