461.【全20回シリーズ】第14回 第12条「国司(こくし)・国造(くにのみやつこ)、百姓に斂(おさ)め取ること莫(なか)れ。」の意味(聖徳太子の十七条憲法とは何か ― 国家を支える倫理を読み直す) 

国司・国造は百姓から勝手に税を取ってはならない

十七条憲法 第十二条には、次のような言葉があります。

「国司(こくし)・国造(くにのみやつこ)、百姓に斂(おさ)め取ること莫(なか)れ。」

つまり

地方の役人が、勝手に民から税を取り立ててはいけない

という意味です。

当時の日本では、
中央から派遣される役人や
地方を治める豪族が

権力を持つことで
私的に利益を得てしまう問題がありました。

そこで聖徳太子は

税は国家の制度として徴収されるものであり
個人の利益のために使われてはならない

と明確に示したのです。

これは今で言えば

・公金の私物化
・立場を利用した利益誘導
・権力を使った不公平

を戒めた条文と言えるでしょう。


公と私を分けるという考え方

この条文の核心は

「公(おおやけ)」と「私(わたくし)」を分ける

という考え方です。

役職や立場を持つと
人はどうしても

「自分の裁量で決められる」

という感覚を持ちやすくなります。

しかし聖徳太子は

その立場は個人のものではなく
社会から預かっている役割である

と考えました。

だからこそ

税も
権限も
判断も

個人の利益ではなく
社会全体のために使われるべき

だと示したのです。


現代の組織でも同じことが起きる

この話は
1400年前の日本だけの話ではありません。

現代の会社や組織でも

似たことはよく起こります。

例えば

・権限を使って自分の都合を通す
・特定の人だけを優遇する
・組織の資源を私的に使う

こうしたことが起きると

組織の信頼は
一気に崩れていきます。

逆に

・ルールが公平に運用されている
・公と私が分けられている
・権限が社会のために使われている

そんな環境では

人は安心して
力を発揮することができます。


1400年前から続く組織の原則

聖徳太子が示したのは

難しい政治制度ではありません。

とてもシンプルな原則です。

権力を私物化してはならない

そして

公の役割は公のために使う

この考え方は

国家でも
会社でも
地域でも

組織が健全に続くための
基本原則と言えるでしょう。

1400年前の日本で
すでにこの考え方が示されていたことは

本当に驚くべきことだと思います。


今日の条文は
とても現代的な問いを私たちに投げかけています。

自分の持っている役割や立場は
誰のために使われているでしょうか。


この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・

今日も佳き日に
コーチミツル

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参考文献

・『日本書紀』推古天皇十二年(604年)条
・梅原猛『聖徳太子』集英社
・井沢元彦『逆説の日本史 古代黎明編』小学館
・中村元『中国古典入門(論語)』岩波書店
・東京大学史料編纂所「日本史史料データベース」

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