159.「モノの価値」はどうやって決まるの? (Brillo Boxと私の小さなアート)

昨日、とてもユニークなお土産をいただきました。

それは、鳥取県立美術館で販売されている「Brillo Box(ブリロ・ボックス)」をモチーフにしたお菓子。

カラフルでポップ、でもどこか懐かしいような、不思議と心が惹かれるデザインです。

Brillo Boxといえば、ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルの代表作のひとつ。

あの、食器用たわしの箱をそのまま模した作品です。

2022年9月、鳥取県がこの作品を5点、あわせて約3億円で購入したことが話題になりました。

「ただの箱に、なぜそんな価値が?」と疑問に思う人も少なくなかったようです。

ですが今年3月末に美術館がオープンすると、わずか22日間で3万人が来館されたそうで、

その注目度や集客力を考えると、「話題性」という意味では大成功だったのかもしれません。

値段のあるモノと、価値のあるコト

私たちが日々手にするものには、材料費や手間、輸送コストなどが反映されていて、

「これくらいが妥当かな」という“適正価格”が何となくわかるものも多いですよね。

でも、芸術作品や宝石、高級時計のようなものは、その枠におさまりません。

たとえ見た目はシンプルでも、そこに込められた想いや背景、

そして「誰が作ったのか」によって、価値がまったく変わってくる。

経済学では「需要と供給」…だけど、それだけじゃない

価格の仕組みを経済学的に言えば、「欲しい人が多く、数が少ないと高くなる」。

とてもシンプルな原理です。

でも芸術の世界では、それだけでは説明がつきません。

その作品が生まれた背景や作者の人生、見る人との出会い――

そういった「物語」や「心のつながり」が、価値に深みを与えてくれるように思います。

「夢の価値」という考え方

私は最近、こうも感じています。

価値とは“夢”を込めるものでもあるのではないか、と。

未来の価値に期待して、今、それに心を動かされた自分が投資する――

そう考えると、「今の値段」だけでは測れないものが、たくさんある気がします。

たとえば私が以前ブログでご紹介した画家・紙芝居作家・絵本作家のよしとさん(紹介記事はこちら)も、まさにそんな存在です。

彼の作品は、独創性があり、どこかあたたかくて、眺めていると自然と心がゆるんでいきます。

紙芝居や絵本の活動を通じて、子どもも大人も、見る人の中に小さな物語を届けてくれる。

私は彼の絵に出会い、「これは自分にとって宝物になる」と直感しました。

そして、自分の手元に迎え入れたその瞬間から、

その作品は“夢の一部”になったのです。

価値は、心が決める

3億円のBrillo Box。

道ばたの小石。

あるいは、誰かの心にだけそっと光る絵。

それらはすべて、「価値があるか?」という問いに、

ひとつの正解を持っていません。

価値とは、目に見えないもの。

そして、数字ではなく、心で決まるものなのだと思います。

日々の生活の中で

値段では測れない「想い」を、私たちは毎日たくさん受け取っているのかもしれません。

今日も佳き日に

コーチミツル

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