
昨日、とてもユニークなお土産をいただきました。
それは、鳥取県立美術館で販売されている「Brillo Box(ブリロ・ボックス)」をモチーフにしたお菓子。
カラフルでポップ、でもどこか懐かしいような、不思議と心が惹かれるデザインです。
Brillo Boxといえば、ポップアートの巨匠アンディ・ウォーホルの代表作のひとつ。
あの、食器用たわしの箱をそのまま模した作品です。
2022年9月、鳥取県がこの作品を5点、あわせて約3億円で購入したことが話題になりました。
「ただの箱に、なぜそんな価値が?」と疑問に思う人も少なくなかったようです。
ですが今年3月末に美術館がオープンすると、わずか22日間で3万人が来館されたそうで、
その注目度や集客力を考えると、「話題性」という意味では大成功だったのかもしれません。
値段のあるモノと、価値のあるコト
私たちが日々手にするものには、材料費や手間、輸送コストなどが反映されていて、
「これくらいが妥当かな」という“適正価格”が何となくわかるものも多いですよね。
でも、芸術作品や宝石、高級時計のようなものは、その枠におさまりません。
たとえ見た目はシンプルでも、そこに込められた想いや背景、
そして「誰が作ったのか」によって、価値がまったく変わってくる。
経済学では「需要と供給」…だけど、それだけじゃない
価格の仕組みを経済学的に言えば、「欲しい人が多く、数が少ないと高くなる」。
とてもシンプルな原理です。
でも芸術の世界では、それだけでは説明がつきません。
その作品が生まれた背景や作者の人生、見る人との出会い――
そういった「物語」や「心のつながり」が、価値に深みを与えてくれるように思います。
「夢の価値」という考え方
私は最近、こうも感じています。
価値とは“夢”を込めるものでもあるのではないか、と。
未来の価値に期待して、今、それに心を動かされた自分が投資する――
そう考えると、「今の値段」だけでは測れないものが、たくさんある気がします。
たとえば私が以前ブログでご紹介した画家・紙芝居作家・絵本作家のよしとさん(紹介記事はこちら)も、まさにそんな存在です。
彼の作品は、独創性があり、どこかあたたかくて、眺めていると自然と心がゆるんでいきます。
紙芝居や絵本の活動を通じて、子どもも大人も、見る人の中に小さな物語を届けてくれる。
私は彼の絵に出会い、「これは自分にとって宝物になる」と直感しました。
そして、自分の手元に迎え入れたその瞬間から、
その作品は“夢の一部”になったのです。

価値は、心が決める
3億円のBrillo Box。
道ばたの小石。
あるいは、誰かの心にだけそっと光る絵。
それらはすべて、「価値があるか?」という問いに、
ひとつの正解を持っていません。
価値とは、目に見えないもの。
そして、数字ではなく、心で決まるものなのだと思います。
日々の生活の中で
値段では測れない「想い」を、私たちは毎日たくさん受け取っているのかもしれません。

今日も佳き日に
コーチミツル