457.【全20回シリーズ】第10回 第8条「群卿百寮、早朝晩退」の意味(聖徳太子の十七条憲法とは何か ― 国家を支える倫理を読み直す) 

20回シリーズのこの企画も半分までやってきました…。

十七条憲法の第8条には、次の言葉があります。

群卿百寮、早朝晩退
(ぐんけいひゃくりょう、そうちょうばんたい)

意味は

役人たちは朝早く出仕(しゅっし)し、遅く退出しなさい

ということだそうです。

最初は、「朝早く仕事に出て夜になったら帰りなさい」

と言う意味かと思い、規則正しい生活を1400年前の役人はしていたのかなと感じていましたが、

ここで気になるのが
**「晩退(ばんたい)」**という言葉です。

これは単に
「夜まで働きなさい」
という意味なのでしょうか。


条文の続きにヒントがある

実は第8条には、この後に続く文章があります。

公事いとまなし。終日にも尽くし難し。
遅く朝れば急なるに逮ばず。早く退れば必ず事尽さず。

簡単に言うと

公の仕事はとても多く、一日あっても終わらない。
朝が遅いと急な仕事に対応できないし、
早く帰ると仕事が終わらない。

という意味です。

つまりここで言われている
**晩退(ばんたい)**とは

「夜まで働け」

というより

仕事が終わる前に帰ってはいけない

という考え方に近いようです。

昭和の時代のモーレツ社員的な感じでしょうか?(笑)


飛鳥時代の役人の働き方

当時の役人は、今のような

「9時から17時」

のような勤務制度で働いていたわけではありません。

役人の仕事は

  • 天皇の政治を支えること
  • 法や制度を整えること
  • 外交や国家運営

など、国家の基盤を作る仕事でした。

しかも飛鳥時代は、
まだ国の制度が整い始めたばかりの時代です。

そのため

公事いとまなし
(公務はとても多い)

という言葉が残されているのです。


働き方改革との違い

現代では

働き方改革

という考え方があります。

  • 長時間労働を減らす
  • 時間を守って働く
  • ワークライフバランスを大切にする

これはとても大切な考え方です。

しかし一方で

「まだやりたい仕事があるのに帰らなければならない」

という声も聞くことがあります。

ここで感じるのは、

聖徳太子が言っているのは
労働時間の長さではなく

仕事に向き合う責任

なのではないかということです。


1400年前のメッセージ

1400年以上前の言葉ですが、

そこにあるのは

公の仕事を担う者の姿勢

です。

社会は

誰かが
責任を持って
役割を果たすことで成り立っています。

聖徳太子は

その基本を
とてもシンプルな言葉で示したのかもしれません。


この条文を読むと、自分はこう感じました。

時間で働くのか。
それとも責任で働くのか。

1400年前の言葉が
今の働き方にも問いかけているように思えます。


この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・

今日も佳き日に
コーチミツル

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参考文献

  • 『日本書紀』巻第二十二(推古天皇十二年条)※
  • 梅原猛『聖徳太子』集英社
  • 倉本一宏『聖徳太子の真実』講談社現代新書
  • 井上光貞『日本国家の起源』岩波新書

※十七条憲法の原文は『日本書紀』に記録されています。

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