607.「一盌(いちわん)からピースフルネスを」― 千玄室さんの生き方に感じたWell-Comism

今朝、NHKの「あの人に会いたい」を見ていました。

登場したのは、茶道(ちゃどう)裏千家15代家元、千玄室さん。

番組の中で千さんご本人が「さどう」ではなく「ちゃどう」と話しておられたのも、印象に残りました。

「空飛ぶ家元」と呼ばれ、世界約70カ国を訪ね、一盌のお茶を通して平和を伝え続けた方です。

2025年8月14日、102歳で亡くなられました。

番組を見ながら、自分は千さんの生き方に、Well-Comismとつながるものを感じていました。

特攻隊員だった茶人

千玄室さんは1923年、京都に裏千家14代家元の長男として生まれました。

しかし、大学時代に戦争がその人生を大きく変えます。

学徒出陣で海軍へ。

やがて特別攻撃隊、いわゆる特攻隊の隊員となりました。

出撃を前にした仲間たちに、千さんは持っていた茶道具でお茶を点てたといいます。

「帰ってきたら、本当の茶室で茶を飲ませてくれ」

そう言った仲間もいたそうです。

しかし、仲間たちは帰ってきませんでした。

千さん自身は出撃することなく、終戦を迎えます。

敵だった国へ、お茶を持っていく

戦後、千さんは茶道(ちゃどう)を海外へ伝えていくことになります。

最初から前向きだったわけではありません。

かつて戦ったアメリカへ、なぜ自分がお茶を伝えに行かなければならないのか。

そんな思いもあったそうです。

しかし、やがて千さんは茶道の中に、戦争とはまったく違う力があることに気づいていきます。

和敬清寂(わけいせいじゃく)。

互いに和し、
互いを敬い、
心を清らかにし、
何があっても動じない。

茶室に入れば、刀を置く。

敵も味方もなく、一盌のお茶を前に、人と人として向き合う。

千さんは、そこに平和への道を見つけたのではないでしょうか。

「一盌(いちわん)からピースフルネスを」

その後、千さんは「空飛ぶ家元」と呼ばれるほど世界を飛び回りました。

訪れた国は約70カ国。

掲げた言葉は、

「一盌(いちわん)からピースフルネスを」

世界平和というと、とても大きな話に聞こえます。

けれど千さんが差し出したのは、一盌のお茶でした。

目の前の一人と向き合う。

相手を敬う。

一緒にお茶をいただく。

世界平和は、案外そんな小さなところから始まるのかもしれません。

Well-Comismと重なって見えたもの

自分が千さんの人生に惹かれたのは、単に「平和を訴えた人」だったからではありません。

戦争を経験し、仲間を失い、自分は生き残った。

その事実は変えられません。

過去を消すこともできません。

それでも、その現実と戦い続けるのではなく、

「では、自分はこれから何をするのか」

へと人生を進めていった。

ここに、自分はWell-Comismと重なるものを感じました。

Well-Comismは、何でも我慢して受け入れることではありません。

起きてしまったことを、起きなかったことにはできない。

変えられないものを変えようとして、自分の人生を使い続けるのでもない。

現実を受け入れたところから、

「では、ここからどう生きるか」

を選んでいく。

千さんは戦争を経験したからこそ、一盌のお茶を持って世界へ出ていったのかもしれません。

受け入れる。

そして、行動する。

続ける。

誰かのために願う。

そう考えていくと、

Well-Comism
Well-Done
Well-Keeping
Well-Wisher

というWell-Being Spiralの流れとも、不思議なほど響き合って見えてきます。

一盌から始めればいい

世界を変えようと思えば、あまりにも大きすぎます。

でも、一盌のお茶なら差し出せる。

目の前の一人なら大切にできる。

一つの言葉なら届けられる。

一つの行動なら始められる。

「一盌(いちわん)からピースフルネスを」

千玄室さんが102年の人生を通して伝え続けたこの姿勢から、自分はそんなことを感じました。

大きなことをしなくてもいい。

まず、自分にできる「一盌」から。

この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・

今日も佳き日に
コーチミツル

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