
今日は秋分の日です。
昼と夜の長さがほぼ同じになる日。
ここから少しずつ夜が長くなり、季節は冬へ向かっていきます。
秋分という言葉には、どこか「折り返し」のような響きがあります。
夏の勢いが少しずつ落ち着き、秋が深まっていく。
そんな季節の節目に庭を眺めていて、ふと気づいたことがありました。
サツキの枝先に、柔らかな緑が出ているのです。
今年の夏は暑く、葉が少なくなって、場所によっては枝ばかりが目立つように感じていました。
ところが9月に入ってから、少しずつ新しい葉が出てきているように見えます。
その緑を見ていて、春のことを思い出しました。
春の色で、好きな色があります。
**萌黄色(もえぎいろ)**です。
冬の間、静かだった木々の枝先から柔らかな緑が現れ、日に日に山や庭の色が変わっていく。
あの何とも言えない若い緑を見ると、
「ああ、また始まるな」
という気持ちになります。
芽吹きといえば、やはり春。
ずっとそんなイメージを持っていました。
でも、ここ数年、庭を眺めながら少し気になっていたことがあります。
植物って、秋にも結構元気になるんじゃないだろうか。
ということです。
夏には見えなかった緑が
わが家の庭にはサツキがあります。
今年の夏の暑い時期には、葉が少なくなり、場所によっては枝ばかりが目立つように感じていました。
ところが9月に入って眺めてみると、
「あれ?」
枝先に柔らかな緑が見えます。
どう見ても、新しい葉が出てきているようです。
春でもないのに。
そういえば、こういうことを感じたのは今年だけではありません。
春から秋まで雑草がものすごい勢いで伸びるのはもちろんですが、真夏の暑さが少し和らいでくるころ、庭の草木がもう一度元気になってくるような気がしていました。
単なる気のせいなのだろうか。
今回、少し調べてみました。
サツキには「春葉」と「夏葉」がある
調べてみて、まず驚いたのがサツキです。
広島県緑化センターのサツキツツジの解説には、
「春葉と夏葉があり、越冬するのは夏葉」
とあります。
つまり、サツキは春に葉を出して、それで一年の成長が終わるわけではないのです。
確かに春に花を咲かして夏の暑い時期は葉が見えなくなることが多い…
春とは別のタイミングでも、新しい葉を展開します。
わが家のサツキで9月になって見えてきた若い緑も、こうした生育の流れの中にあるのかもしれません。
ここ数年、なんとなく感じていたことにも、ちゃんと理由がありそうです。
秋から育ち始めるものもある
さらに考えてみれば、秋に種をまいたり、苗を植えたりする野菜や花はたくさんあります。
例えばダイコン。
農林水産省の秋まきダイコンの栽培資料を見ると、秋まきは「生育適温に最もあった適作型」とされています。
ブロッコリーも、もともと冷涼な気候を好む野菜で、夏に種をまき、秋から冬に収穫する栽培が行われています。
秋というと、どうしても、
「実りの秋」
という言葉が思い浮かびます。
稲穂が実り、
果物が熟し、
畑では収穫を迎える。
一年かけて育ってきたものを受け取る季節。
確かにそれも秋です。
でも、その隣では、
これから芽を出すものがある。
これから根を張るものがある。
涼しくなったことで、ようやく本格的に育ち始めるものもある。
ある植物にとって秋は「実り」の季節であり、別の植物にとっては「始まり」の季節でもある。
調べてみて、そこが一番面白いと思いました。
秋分に見つけた「返り萌え」
そして今は、ちょうど秋分のころです。
昼と夜の長さがほぼ同じになり、ここから夜の時間が少しずつ長くなっていきます。
季節が一つ折り返していく時のようにも感じます。
そんな秋分のころに、
わが家のサツキでは、新しい緑が出ていました。
春の萌黄色とは少し違います。
一度伸びて、
暑い夏を越えて、
季節が折り返すころに、もう一度現れる若い緑。
見ながら、ふとこんな言葉が浮かびました。
「返り萌え」
植物学の言葉ではありません。
自分が勝手につけた言葉です。
でも、
季節が折り返すころ、静かにもう一度萌える。
そんな姿には、なかなか似合う気がします。
成長するタイミングは、それぞれ違う
そして植物のことを調べながら、人も同じなのかもしれないと思いました。
誰かが実を結んでいる時に、
これから芽を出す人もいる。
ぐんぐん伸びている人の隣で、
まだ根を張っている人もいる。
一度大きく伸びたあと、しばらく静かな時間を過ごして、
もう一度芽を出す人もいるでしょう。
植物を見ていると、
「みんな同じ時期に成長しなければならない」
なんてことはありません。
それぞれに適した温度があり、
季節があり、
芽を出すタイミングがあります。
人もきっと同じなのでしょう。
誰かが実っている時に、自分は芽吹き始めてもいい。
誰かが大きく伸びている時に、静かに根を張っていてもいい。
周りと同じ季節を生きる必要はないのかもしれません。
何歳になっても「返り萌え」はある
自分は今でも、春の萌黄色が好きです。
あの「これから何かが始まる」という感じが好きなのでしょう。
でも今年は、秋にも好きな緑が一つ増えました。
夏を越えたサツキの枝先に現れた、小さな若い緑。
返り萌え。
秋は、実りの季節。
でも、すべてのものにとってゴールの季節ではありません。
これから始まるものもあります。
そして人も、
何歳になっても、
どんな季節にいても、
もう一度、自分の中から新しい芽が出てくることがある。
庭のサツキを見ながら、
成長には、それぞれの季節がある。
そんなことを思いました。
そして、自分の中にもまだ、
「返り萌え」があるのかもしれないなと思っています。
この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・
今日も佳き日に
コーチミツル
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参考
・広島県緑化センター「サツキツツジ」
・農林水産省「ダイコン栽培暦(秋まき)」
・農林水産省「ブロッコリー―達人レシピ」
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