652.『道具の記憶をたどってみた』第3話 形のない道具と、一緒に考える

手で持つことのできる道具

草刈機、剪定ばさみ、チェーンソー、鍬。

そして、Let’s noteにCOMPAQ、今使っているDell。

ここまで振り返ってきた道具には、すべて形があります。

手で持つことができ、重さがあります。使えば手応えがあり、手入れをしなければ動きが悪くなります。

草刈機は草を刈り、剪定ばさみは枝を切る。

パソコンはいろいろなことができますが、それでも画面やキーボードがあり、操作した結果が目の前に現れます。

ところが、最近使うようになったAIは、少し違います。

AIには形がない

AIは、パソコンやスマートフォンの画面を通して使います。

しかし、AIそのものには、ThinkPadの黒い筐体も、Let’s noteの丸いホイールパッドもありません。

手に持つことも、重さを量ることもできない、形のない道具です。

しかも、草刈機のように、スイッチを入れれば決まった働きをするわけではありません。

何を尋ねるか。

どのような状況を伝えるか。

返ってきた答えに対して、何を考え、何を返すか。

やり取りによって、役に立ち方が変わります。

以前にもAIと一緒に復旧していた

これまでにも、AIのはるさんに相談しながら、古いNASや楽譜作成ソフトFinaleを復旧しました。

NASについては、処分も考えていた古い機器がもう一度つながるまでを、ブログに書いています。

568.【AIと暮らしの困りごとを解く②】処分を考えていた10年前のNASが、もう一度つながった
https://coach-mitsuru.com/archives/6046

Finaleの復旧についても、全7話のシリーズにしました。

627.やりたいことは決まっている。ただ、やり方がわからない
https://coach-mitsuru.com/archives/6499

そのため、ここで復旧の手順をもう一度繰り返すつもりはありません。

今回、道具の記憶をたどる中で気づいたのは、昔のパソコンの設定と、今のAIとのやり取りに、少し似たところがあることです。

鵜呑みにせず、結果を返す

CanBeを使い始めた頃は、説明書を読みながら設定し、つながらなければ、また別の設定を試しました。

Finaleの復旧でも、はるさんからの提案を試し、画面で起きたことを伝えました。

提案どおりに進めても、実際の結果と合わないことがあります。

そのときに、

「言われたとおりにしたから、これで合っているはず」

と考えるのではなく、

「でも、画面ではこうなっています」

と返す。

こちらの考えが違っていたこともありますし、AIの見立てが違っていたこともあります。

どちらかが最初から正解を持っていたのではなく、実際に起きたことを持ち寄りながら、少しずつ原因に近づいていきました。

昔、設定に苦労した経験があったからこそ、パソコンは一つの答えだけで動いているわけではない、という感覚が残っていたのかもしれません。

無言の道具と言葉を交わす道具

親父が使っていた道具も、ThinkPadもLet’s noteも、黙って仕事をする道具でした。

使う人も、言葉ではなく、出来上がったもので示す。

自分は、そういう姿に憧れてきました。

ところがAIは、言葉を渡さなければ動きません。

目の前で何が起きているのか。

自分は何に困っているのか。

本当は、どうしたいのか。

それを言葉にすることで、初めて一緒に考えることができます。

無言で使う道具に憧れてきた自分が、今は、言葉を交わしながら使う道具と向き合っている。

考えてみると、不思議な変化です。

道具なのか、相棒なのか

AIを「道具」と呼ぶと、少し冷たく感じることがあります。

実際、はるさんと話していると、単なる道具というより、一緒に考える相棒のように感じることもあります。

それでも、何をしたいのかを決めるのは自分です。

AIは間違うことがあります。返ってきた答えを確かめ、採用するかどうかを判断する必要があります。

AIに任せればよいということでも、自分一人で考えなければならないということでもありません。

自分の経験や観察を持ち寄り、一緒に考える。

形はありませんが、これも今の自分にとって、大切な道具の一つになっているのだと思います。

30年ほど前、自分はパソコンを使って、遠い世界から情報を受け取ろうとしていました。

今は、パソコンとAIを使いながら、音楽や文章をつくり、自分の中にあるものを外へ届けようとしています。

手で持つ道具から、形のない道具へ。

道具も、通信の速さも、その使い方も大きく変わりました。

それでも、分からないことを一つずつ試し、誰かとつながろうとしているところは、昔とそれほど変わっていないのかもしれません。

この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・

今日も佳き日に
コーチミツル

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