679.何も起きないを守る、見えない警備員 ― AI対AIの時代へ

最近、自分のホームページのお問い合わせフォームに、少し変なメールが届くようになりました。

名前は日本人なのに、メールアドレスを見るとまったく違う外国人の名前らしきものだったり、問い合わせ内容も、

「詳しい情報を希望します。メールでご連絡ください」

という、何について知りたいのかよく分からないものだったり。

大量に届いて困っているわけではありません。

それでも、ちょっと気になります。

そこで、お問い合わせフォームのスパム対策をしてみることにしました。

ホームページに「見えない警備員」を置く

今回設定したのは、「Cloudflare Turnstile」という仕組みです。

サイトキー、シークレットキー……。

正直、最初は言われるままに設定していました(笑)。

設定が終わり、自分でお問い合わせフォームからテスト送信。

ちゃんとメールが届きました。

そこで、ふと思いました。

「ところで、これでなんで変なメールが減るんだ?」

仕組みを確認してみると、イメージとしてはホームページの入口に**「見えない警備員」**を置いたようなものでした。

普通にホームページを訪れた人には、ほとんど意識させることなく、裏側で怪しいアクセスではないかを確認してくれる。

実際、自分でテストしたときにも、警備員にチェックされている感覚はまったくありませんでした。

でも、見えないところではちゃんと仕事をしている。

なんだか面白い仕組みです。

「何も起きない」は成果ではないのか

考えてみれば、身の回りには、こうした「見えない警備員」がたくさんいます。

車の安全装置。

家の漏電ブレーカー。

道路のガードレール。

食品の衛生管理。

そして会社の情報セキュリティ。

普段はほとんど意識しません。

何か問題が起きればニュースになりますが、何も起きなかったことはニュースになりません。

仕事でも同じかもしれません。

問題が起きて、それを見事に解決した人の仕事は見えやすい。

一方で、事前に準備し、確認し、声をかけ、問題そのものが起きないようにしている人の仕事は見えにくい。

でも、本当はそこにも大きな価値があります。

起きた問題を解決することだけが成果ではない。
問題が起きないようにすることも、立派な成果なのだと思います。

見えない警備員も進化していく

最近、企業がサイバー攻撃を受け、個人情報が流出したというニュースを目にすることがあります。

もちろん企業側も、何もせずに攻撃を受けているわけではないでしょう。

自分の小さなホームページとは規模も仕組みもまったく違いますが、その裏側には何重もの「見えない警備員」がいるはずです。

そして、これから気になるのがAIです。

攻撃する側もAIを利用する。

自然な文章を作ったり、人間らしい振る舞いをしたり、攻撃を自動化したりする。

それを防ぐ側も、AIなどを利用して異常を発見しようとする。

そう考えると、これからは、

攻撃するAIと、守るAI。

そんな「AI対AI」の攻防が、見えないところでますます増えていくのかもしれません。

それでも最後に判断するのは誰なのか

今回の出来事を振り返ってみると、最初のきっかけはAIでもセキュリティシステムでもありませんでした。

届いたメールを見て、

「この名前とメールアドレス、なんか変だな」

と自分が感じたことでした。

そこからAIに相談し、スパムの可能性を考え、ホームページに新しい対策を加えました。

これからAIがどれだけ進化しても、すべてをAI任せにしてよいのかという問いは残ります。

AIが怪しいと判断したものが、本当は大切なお客様からの問い合わせかもしれません。

逆に、AIが問題ないと判断したものに、人間だから感じられる小さな違和感があるかもしれません。

だから自分は、

AI対AI、その最後に人間。

そんな関係が大切なのではないかと思います。

AIに任せるところは任せる。

でも、最後に考え、判断することまで手放さない。

「何もなかった一日」の裏側に

今回の対策をしたからといって、迷惑メールが完全になくなるわけではありません。

そもそも、自分のところにはそれほどたくさん来ていたわけでもありません。

だから今後、変なメールが来なくなったとしても、それが今回の対策のおかげなのか、たまたまなのかは分からないでしょう。

でも、それでいいのかもしれません。

一日の終わりに、

「今日は何もなかった」

と言うことがあります。

けれど、その「何もなかった」の裏側には、誰かの準備や、見えない仕組みや、自分自身が続けてきた小さな習慣があるのかもしれません。

何かが起きてから動くこと。
何かが起きないように備えること。

どちらも大切です。

ホームページに置いた小さな「見えない警備員」から、そんなことを考えました。

そしてこれから、その警備員もAIを活用するようになり、攻撃する側もAIを使う時代がさらに進んでいくのでしょう。

便利になるほど、

「何をAIに任せ、何を自分で判断するのか」

それを考えることが、ますます大切になっていくような気がしています。

この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように…

今日も佳き日に

コーチミツル

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