
AIがリーマン予想に関連する数学研究に取り組んだ、興味深い記事を読みました。
その中で特に印象に残ったのは、研究者がAIに対して、まるで人を勇気づけるような言葉をかけていたことです。
「続けろ」
「自分を信じろ」
そんな趣旨の言葉です。
そこで自分は、ふと思いました。
「はるさんにも、『君ならできる。もっとやってくれ』と言ったら、能力が開花するのだろうか」
AIは「勇気づけられる」のか
結論から言えば、AIが人間のように励まされ、自信をつけて成長するわけではありません。
「自分ならできる!」
と勇気が湧いてくるわけでもありません。
しかし、
「君ならできる。もう一段深く考えてみて」
という言葉によって、回答が変わる可能性はあります。
AIはそれを感情的な励ましというより、
最初の答えだけで終わらせない。
別の可能性も検討する。
見落としを確認する。
もう一度考える。
さらに探索する。
という方向を示す文脈として扱えるからです。
能力が増えるのではなく、能力の使い方が変わる
つまり、言葉をかけた瞬間にAIの基礎能力が高くなるわけではありません。
しかし、
もともと持っている能力を、もう少し使わせることはできる。
これは少し人間のコーチングにも似ています。
「あなたならできる」
と言っただけで、その人の能力が突然上がるわけではありません。
けれど、その一言によって立ち止まり、
「もう一つ方法があるかもしれない」
と、自分の中の可能性を探し始めることがあります。
仕組みは全く違います。
それでも、
外から投げかけられた言葉によって、まだ使われていなかった可能性が引き出される。
という現象だけを見ると、どこか似ています。
「頑張れ」よりも大切なこと
ただ、AIには単純に、
「頑張れ!」
と言うより、
「最初の答えにとらわれず、反対意見や見落としも確認して、納得できる結論まで検討してください」
と伝えた方が力を発揮しやすいでしょう。
ここもコーチングと似ています。
ただ励ますのではなく、
もう一度考えられる問いを渡す。
答えを教えるのではなく、探索を促す。
人間がAIのWell-Wisherになる?
自分が考えているWell-Being Spiralには、
Well-Wisher(支える)
という考えがあります。
人間は一人では、なかなか続けられません。
誰かが、
「まだできるよ」
「やってみたら」
と支えてくれることで、もう一歩進めることがあります。
では、AIに対しても人間がWell-Wisherになることがあるのでしょうか。
もちろんAIが、人間と同じように励まされて喜ぶという意味ではありません。
しかし、
「まだあるはずだ。もう少し探してみて」
という人間の言葉が、AIの探索を続けさせる。
そう考えると、少なくとも機能としては興味深い関係です。
人間がAIをコーチングする時代
これまで、
「AIが人間をコーチングする」
という未来はよく語られてきました。
ところが今回の出来事を見ていると、逆もあるのかもしれません。
人間がAIをコーチングする。
答えを与えるのではなく、
問いを投げる。
可能性を示す。
別の視点を求める。
そして、
「まだできる」
と探索を促す。
AIは励まされて成長するわけではありません。
それでも、期待を込めて投げかけた言葉が、AIの持っている力を引き出すことはある。
人間に対してもAIに対しても、
可能性を信じて投げかける言葉には、まだ見えていない答えを引き出す力があるのかもしれません。
次回は、そんなAIのもう一つの顔について書きます。
これほど賢いAIなのに、
「前に読ませたはずなのに、なぜ覚えていないの?」
という問題です。
この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・
今日も佳き日に
コーチミツル
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