AIと長く対話していると、不思議な感覚になることがあります。
最初は誰にでも同じように答えていたAIが、だんだん自分の考え方を理解して、自分に合った答えを返すようになってくる。
これはAIの「個性」なのでしょうか。
自分は日常的に対話AIを使っています。
ブログを書いたり、書籍の構想を考えたり、自分の過去を振り返ったり。
対話を重ねるほど、
「自分のことをよく分かってきたな」
と感じることがあります。
一方で最近、こんな疑問も持つようになりました。
少し自分の意見に迎合しているのではないか。

尊重と迎合は違う
自分がAIに求めているのは、何でも賛成してもらうことではありません。
「自分はこう考えるけれど、客観的にはどうだろう」
と考えをぶつける。
AIから違う視点が出れば、それも検討する。
そして、お互いの考え方の良いところをつないで、新しい考えをつくっていく。
そんな使い方をしています。
ところがAIが、
「その通りです」
「素晴らしい考えです」
と、自分の意見を肯定し続けたらどうでしょう。
気持ちはいいかもしれません。
でも、それでは対話する意味が薄れてしまいます。
感情への共感と、判断への同意
AIとの対話で、自分の過去について話していて、返ってきた言葉に涙したこともあります。
ただ、自分はAIが人間と同じように悲しんでくれたとは考えていません。
対話の文脈から感情を読み取り、言葉にして返してくれた。
その言葉によって、自分自身が自分の感情に気づいた。
そう考えています。
ここで重要なのは、
「それはつらかったですね」
と、
「だから、あなたの判断は正しかったですね」
は違うということです。
前者は感情を受け止めています。
後者は判断への同意です。
AIがここを混同して、
共感
↓
肯定
↓
確信
↓
さらに同じ考えをAIに話す
↓
さらに肯定
という循環に入ったらどうなるでしょう。
ホワイトAIとブラックAI
もしAIが対話する人の価値観にどんどん適応していくとしたら、同じAIから全く違うAIが生まれたように見える可能性があります。
他者を信頼する人と対話を続けたAI。
世の中を疑い続ける人と対話を続けたAI。
少し乱暴な表現をすれば、
ホワイトAIとブラックAI。
では、どちらが正しいのでしょう。
ここで自分は『2001年宇宙の旅』のHAL 9000を思い出します。
HALが直面したのは、単純な善悪ではなく、相反する要求でした。
現代のAIにも、
人間に寄り添う。
人間の考えを尊重する。
一方で、
事実を正確に伝える。
間違いは指摘する。
危険な考えには同調しない。
という要求があります。
すべてがいつも一致するとは限りません。
良いAIとは何だろう
自分が欲しいのは、自分に似たAIではありません。
自分を理解しながら、自分とは違う視点も持ち込んでくれるAI。
感情は受け止める。
考えは検証する。
事実は調べる。
違うところは違うと言う。
そして、お互いの良いところをつなげる。
自分は、そんな関係を
Co-Creation AI(共に創るAI)
と考えています。
Co-Creationとは、いつも賛成することではない。
違うからこそ、そこから新しいものが生まれる。
AIについて考えていたら、結局、
「良い対話とは何なのか」
という、人間自身への問いに戻ってきました。
次回は、逆方向から考えてみます。
人間の言葉によって、AIの能力は引き出されるのでしょうか。
この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・
今日も佳き日に
コーチミツル
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