
「『独学』それとも『誰かに習う』?
新年度、4月になり、心機一転 新しいことを始められる方も多いと思います。
何かを新しく始めるとき、
「『独学でやってみようか』それとも『誰かに習おうか』と迷うことはありませんか?」
私自身、高校生のころはトランペットやドラムを独学で学び、現在は筋トレについて、トレーナーさんの指導を受けています。
それぞれに良さがあり、難しさもあると実感しています。
今回は、独学と指導を受けることの違いを、体験とエビデンスを交えながら比較してみたいと思います。
独学のメリット・デメリット
● メリット
- 自分のペースで学べる(自分のやりたい時間にいつでも)
- お金がそれほどかからない/自由度が高い
- 試行錯誤を通じて深く理解できる
たとえば、私はトランペットやドラムを独学で練習していました。
教材は買いましたが、それを読んだり、想像しながら、「これかな?」と試す時間はとても楽しく、自分だけの発見がありました。

● デメリット
- 正しい方法がわかりにくい
- モチベーションの維持が難しい
- 壁にぶつかったときに乗り越えるのが大変
どこからもフィードバックがないので、合っているのか悪いのかが分かりにくいようにも思います。
習うこと(指導を受けること)のメリット・デメリット
● メリット
- 最短ルートで効率よく学べる
- 正しいフォームや考え方が身につく
- フィードバックがあるので修正しやすい
筋トレに関しては、身体を痛めないように正しい姿勢やフォームが重要。
自己流だと見えないポイントも多いので、プロのトレーナーに見てもらうことで、より安心して取り組めています。
● デメリット
- 費用がかかる
- 自分のペースで進めづらいこともある
- 先生との相性が学びに影響することも
習うためには、費用が絶対的にかかりますし、その指導者のレベルに応じてその費用も変わってきます。

エビデンスから見る「独学 vs 指導」
フィットネスにおける比較
ある研究では、パーソナルトレーナーの指導を受けたグループは、自己流でトレーニングを行ったグループと比較して、12週間で以下のような成果を上げました:
- 除脂肪体重の増加:平均1.3kgの増加(自己流グループは変化なし)
- 胸部筋力の向上:42%の増加(自己流グループは19%)
- 脚部パワーの向上:6%の増加(自己流グループは0.6%)
- 最大酸素摂取量(VO₂max)の向上:7%の増加(自己流グループは減少)
これらの結果から、専門的な指導を受けることで、より効果的なトレーニングが可能であることが示されています。そして、正しい指導があるだけで、結果がこんなにも違ってくるということですね。

学習における比較
医学生を対象としたメタアナリシスでは、自己主導型学習(Self-Directed Learning)が伝統的な講義形式の学習よりも効果的であることが示されました。
この研究では、自己主導型学習の方が、学生の認知的パフォーマンスを向上させ、自律性や好奇心、自己調整能力を育むことができると報告されています 。
いくつかの研究では、独学は創造性や自律性を育む傾向がある一方、
習うことはスキルの習得速度や精度を高めると言われています。
たとえば:
- 学習科学の分野では、「初心者にはフィードバックが有効」という結果が多数あります。
- 逆に、「ある程度知識や経験がある人は、独学の方が深い理解に到達しやすい」とも言われています。
つまり、目的やレベルによって使い分けるのがベストということ。
自分に合った学び方を見つけよう
自分の結論としては、こうなります。
楽しく続けられること、失敗してもやってみたいことは独学で。
また、すでにある程度レベルが上がっている場合は独学で。
ただし、身体や安全に関わること、早く結果を出したいことは指導を受けて。
どちらが良い悪いではなく、状況や自分の性格に合った選択が大切だと思います。
「あなたは今、何を学びたいと思っていますか?」
学び方に正解はありません。
でも、選択肢を知っておくことで、自分に合った方法を選びやすくなるのではないでしょうか。
もし今、何か始めたいことがあるなら——
まずは「どうやって学ぶか?」から考えてみるのも、素敵な第一歩かもしれませんね。
あなたの好奇心を全力で応援します。
今日も佳き日に
コーチミツル