
「お願いしたいけど…」のジレンマ
PTAや町内会など、地域の活動にはさまざまな「役」があります。
そのたびに出てくるのが、「誰にお願いする?」という、あの悩ましい話題。
「あの人、いつも忙しそうだから頼みづらいな…」
「あの人、…いや、“暇そう”じゃなくて“時間に余裕がありそう”だからお願いしやすいかな?」
つい冗談交じりにこんなやり取りをしてしまいますが、実際のところ、どちらにお願いするのが良いのでしょうか?
忙しい人に頼むと、意外とすんなり引き受けてくれる?
自分の経験から言えば、忙しい人ほど「いいよ」と軽やかに引き受けてくれることが多いように感じます。
忙しいからこそ、時間の使い方が上手だったり、過去に何度も役を経験していたりするので、あれこれ迷わずサッと動けるのかもしれません。
“忙しい人は頼れる”というのは、ある意味で真実かもしれません。
時間がありそうな人の方が断る? その心理とは
もちろん例外もありますが、「時間があるように見える方」にお願いしたときに、
「えー、それはちょっと…」と躊躇されることも。
実はこれ、心理学でも説明できます。
▶ 自己効力感が低いと、動けない
「自分にできる気がしない」
そんな不安があると、人は新しいことを避ける傾向があります。
これを「自己効力感(self-efficacy)」と呼びます。
▶ 回避動機が強くなると、やらない理由を探す
経験がなかったり、責任の重さを想像してしまったりすると、
「やらない」理由が先に立ってしまい、動きづらくなるんですね。
役を引き受けて得たもの
少し前、町内会でゴミ集積所の問題が持ち上がり、
「これは、自分が動かないといけないな」と思って手を挙げたことがありました。
その結果──
地域の方と自然に話す機会が増え、顔見知りがどんどん増えました。
まさに、役を引き受けることで得た“つながり”の恩恵でした。
信頼される人に偏りがちな現実
役割は、結局「この人なら大丈夫」と思われる人に集まりがちです。
それは信頼の証でもありますが、同じ人ばかりに負担が偏ってしまうという課題もあります。
頼む側と頼まれる側の、優しいバランスを
「時間がありそうだから」ではなく、
「信頼してお願いしたい」と伝える。
そして、「引き受けることが自分にとっての成長になるかも」と受け止めてみる。
地域の中で、そんなお互いの“やさしさの循環”が広がっていくといいなと思います。
☞ 次回予告
じゃあ実際に、「時間に余裕がありそうな方」にお願いしたいときは、
どんな声かけが有効なんだろう?
次回は、ちょっとした心理的工夫で“頼まれやすくなる”言葉のヒントをご紹介します。
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