222. 「役をお願いしたい」とき、どう声をかければいい?(時間に余裕がありそうな方に動いてもらうためのヒント)

前回のつづきから…

「忙しい人ほど引き受けてくれる」
「時間がありそうな人ほど断ることもある」

そんなジレンマを前回のブログ(221)で紹介しました。

今回はその続きとして、“時間に余裕がありそうな方”にお願いしたいとき、どう声をかけると引き受けてもらいやすくなるのかについて、心理的なヒントを交えてお届けします。


なぜ断られてしまうのか?その心理的背景

断られる理由の多くは、「時間がある/ない」だけではなく、
・責任が重そう
・一人にされそう
・やったことがないから不安
などといった心理的なハードルが背景にあります。

▶ 自己効力感と回避動機

「できる気がしない」「失敗したら嫌だな」
そんな不安を持つと、人はその場から距離を取ろうとするものです。


声かけの工夫 ~相手の“動機”を引き出すコツ~

■ 1. 小さなお願いから始める(フット・イン・ザ・ドア)

「来週の掲示板だけ見ていただけると助かります」
「配布物のチェックだけお願いできたらうれしいです」

まずは、明確でシンプルなタスクから始めましょう。
小さな成功体験が「やってみようかな」につながります。


■ 2. 「その人だからこそ」の強みや特性を伝える(ラベリング効果)

「◯◯さんの気配りって、いつも助かってるんです」
「◯◯さんなら、きっと周りを上手にまとめてくださると思って」

「あなたにお願いしたい理由」を明確にすると、
相手は自分の“強み”に気づき、それを活かしたいという前向きな気持ちになりやすくなります。


■ 3. 役割の目的と、本人にとってのメリットを伝える

「この役は、地域の皆さんの声を集めて“より住みやすくする”ためのものなんです」
「自分もこの役をやって、顔見知りが増えて話しかけてもらえるようになりました」

“この役にどんな意味があるのか”
“関わることでどんな良いことが得られるのか”
それを丁寧に伝えることで、役割が“義務”から“価値”に変わります。


■ 4. 「一緒にやるので安心してください」と添える

「基本は2人体制で進めてます」
「わからないことはいつでも聞いてくださいね」

人が一番不安に感じるのは、「自分ひとりで抱え込むこと」。
“チームで動く”安心感があれば、踏み出す勇気が生まれます。


■ 5. 過去の行動を根拠に、信頼と感謝を伝える

「以前のイベントで作っておられた案内文、とても見やすくて印象に残っていました」
「子どもたちがもめていた時に、さっと声をかけていた姿がとても印象的でした」

過去の行動を覚えていてもらえることは、誰にとってもうれしいものです。
「そのとき、ちゃんと見ていましたよ」「だからお願いしたいんです」──
そう伝えることで、頼まれた側は“信頼されている”と実感できます。


頼み方も、地域のつながりを育てる一歩

お願いするということは、ただ「役を押しつける」ことではありません。
「あなたの力が必要です」と伝える、信頼と期待の表現です。

頼み方ひとつで、人の心が動くことがあります。
そして、頼まれたことが、いつしかその人自身の誇りになることもあるのです。


あなたが「役をお願いされたとき」、どんな言葉で引き受けようと思えましたか?
逆に、誰かにお願いしたいとき、どんな言葉をかけてみたいですか

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