
「No one puts more pressure on themselves than Shohei.」
(大谷翔平ほど自分にプレッシャーをかける人はいない)
これはロサンゼルス・ドジャースの野球運営部長、アンドリュー・フリードマン氏の発言です。
彼がこのコメントを残したのは、大谷選手が「投げて10奪三振、打って3本塁打」という圧巻の試合を見せた直後。
あまりに完璧なパフォーマンスを前に、彼が日々自分に課している厳しさへの敬意が感じられる言葉でした。
ただし、この発言はフリードマン氏の“観察”であり、大谷選手本人のコメントではありません。
それでも、「自分にプレッシャーをかける」という表現は、大谷選手の姿勢を的確に表しています。
プレッシャー=期待の証
大谷選手は、プレッシャーを“名誉”と捉えています。
“It’s an honour to feel pressure because that means there are expectations.”
(プレッシャーを感じるのは名誉なこと。期待があるということだから。)
この発言に、大谷選手の哲学が凝縮されています。
プレッシャーとは、誰かが自分に期待している証。
それは「信頼」の裏返しであり、「自分を必要としてくれている人がいる」という肯定でもあります。
科学が裏づける「プレッシャーの意味づけ」
心理学では、ストレスや緊張を“脅威(threat)”ではなく“挑戦(challenge)”として捉えることで、
心拍や集中力が安定し、パフォーマンスが向上することが分かっています。
これを「意味づけ再評価(reappraisal)」といいます。
緊張して心拍が上がったとき、
「やばい、緊張してる」ではなく
「自分の体が準備モードに入っている」と考える。
このわずかな“解釈の違い”が、身体反応と結果を変えるのです。
(Jamieson et al., Journal of Experimental Psychology: General, 2010)
プレッシャーは避けるものではなく「使う」もの
トップアスリートが強いのは、プレッシャーを感じないからではなく、
プレッシャーを“使っている”からです。
大谷選手は、期待を恐れず、むしろ「その期待があるから頑張れる」と語っています。
プレッシャーが集中力を生み、責任感が行動を導く。
それは、プレッシャーを「敵」ではなく「信頼の証」として受け入れているからこそできることです。
一般の私たちに置き換えてみる
プロ選手やオリンピック選手でなくても、
誰もが何かしらの「期待を背負う場面」に立つことがあります。
家族や仲間、職場の人たちが自分を信じて任せてくれる。
その瞬間に感じる緊張や不安は、
「ちゃんとやらなきゃ」という焦りではなく、
「信頼されている」という証なのかもしれません。
まとめ
プレッシャーを感じることは、悪いことではありません。
それは「誰かがあなたを信じている」というメッセージ。
その信頼を胸に、自分の仕事・表現・言葉を丁寧に積み重ねていくことで、
プレッシャーは“重荷”から“翼”に変わっていきます。
あなたが今、感じているプレッシャーは、誰からの“信頼”の裏返しでしょうか?
今日も佳き日に
コーチミツル
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