よく語られる“守破離”という3ステップ
「守破離(しゅ・は・り)」という言葉は、武道や茶道だけでなくビジネスや自己啓発の世界でもよく知られています。一般的には次のように説明されます。
- 守:基礎を固める
- 破:アレンジして自分らしさを出す
- 離:師の型を離れ、自分のやり方を確立する
こうした説明はわかりやすく、多くの場面で使われています。しかし最近あらためて調べてみると、本来の“守破離”は少し違う意味を持っていることがわかりました。
本来の「離」は“自由”ではない
守破離の源流としてよく引用されるのが『利休道歌』の一首です。
規矩作法 守り尽くして 破るとも 離るるとても 本を忘るな
この歌は「守→破→離」の流れを端的に示すと同時に、一番最後に「本を忘るな」と強く言い切っています。つまり、型から離れる「離」の段階にあっても、本質は絶対に忘れてはいけないということです。ここには「離=自由」という一般的な説明とは大きく異なる意味が込められています。形の上では師から離れても、精神の上では離れていない状態。これこそが本来の「離」です。
川上不白が整理した“守→破→離”の本質
江戸時代の茶人・川上不白は、守破離を明確な学びの段階として弟子に教えた人物として知られています。彼の教えによれば、
- 守:師の型を疑わずにまず徹底して真似る
- 破:守り切った者だけが自ら破りに向かう
- 離:守と破の両方を体得し、本質を守りながら型から自由になる
という順序になります。
この流れからわかるように、守から破へ進めば良いという単純な話ではなく、破を経ずに離へ行くことはできません。そして離は最も自由であるように見えて、実は最も本質に忠実な段階なのです。破を経ずに離に行ける者はいない」という厳しい含意があります。だからこそ「離」は最も自由であるように見えて、実は最も本質に忠実な段階なのです。
守破離とは“本質から離れないための三段階”
一般的には守破離が「自由になるプロセス」のように説明されることがあります。ただ本来は「本質から離れないためのプロセス」です。守で型を受け取り、破でその意義や限界を問い直し、離で自由にふるまう。しかしどれだけ自由に見えても、本質はひとつも手放していない──この状態こそ守破離の真髄だと感じます。
自分の今を振り返ると
守破離の本来の意味を調べながら、自分の今の立ち位置についても考えてみました。コーチングについては、ようやく「破の入り口」に立ち始めた感覚があります。一方で、トランペットについては「守」の段階すらまだ十分にできていないなと感じています。どちらが良い悪いではなく、それぞれの道での自分の位置を自覚することが、前へ進むための大切な手がかりになる気がしました。
最後に問いかけ
守破離の三段階は上に向かう階段ではなく、行き来しながら成熟していくプロセスだと思います。
今あなたが取り組んでいることは、守・破・離のどこにありますか。
そして、あなたがその道で大切にしている“本質”とは何でしょうか。

今日も佳き日に
コーチミツル
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