270.人の喜びを喜べる力と応援・挨拶の本質

人の喜びに出会ったとき、あなたはどんな反応をしますか?
「よかったね!」と自然に口から出る人もいれば、どこか素直に喜べない気持ちになる人もいるかもしれません。
その違いは、私たち自身の心のあり方や人との関わり方を映す鏡のようです。今日は、自分の身近な体験と、スポーツや心理学の視点を交えて「人の喜びを喜べる力」について考えてみたいと思います。

孫の応援に学ぶ「純粋な共感」

自分の孫の一人は、3歳くらいの頃から人に良いことがあると「良かったね」と自然に声をかけていました。
小学生になった今も、スポーツで頑張っている人を一生懸命応援しています。その姿は、競争や損得を超えた、まっすぐな共感の力を感じさせてくれます。

チアリーディングにあった「相互応援の文化」

チアリーディングの大会では、順位を競う競技でありながら、出場者同士が互いに応援し合う文化があります。
「自分たちの演技を見てほしい」という思いと同じように、「相手の努力も讃えたい」という気持ちが根付いているのです。勝敗を超えて「努力する姿そのものを応援する」考え方は、私たちに大きな学びを与えてくれます。

“逆応援”に覚える違和感

一方で、プロバスケの試合などでは、相手チームのフリースローにブーイングをする場面もあります。もちろん「勝ちたい」という気持ちから生まれる応援かもしれません。
しかし自分は、相手を妨げる応援よりも、「自分たちを高める応援」の方が心地よく、純粋な力を持っていると感じます。

イチローが語った「挨拶とは敬意」

野球少年が「なぜ相手チームや先輩に挨拶をしなければならないのか」と問うたとき、イチロー選手はこう答えています。

「挨拶って、人への敬意だと思うんだよね。自分だけで生きているわけではないからね。自分以外の人を大切にする。人への敬意は、野球選手としても一人の人間としても大切なことだよ。」【crosslifepartners.com】【fureai-cloud.jp】【x.com】

挨拶は形式ではなく、相手の存在や努力に敬意を表す行為。応援と同じく「相手を尊重する心」がそこに込められています。

成功を喜べることの科学的な効果

心理学者バーバラ・フレドリクソンが提唱した「ポジティブ感情の拡張‐形成理論」によると、喜びや感謝といった前向きな感情は、人の思考や行動を広げ、長期的な人間関係や健康にも良い影響をもたらすとされています。

また、心理学研究では、人の喜びを自分のことのように喜べる「共感的喜び(empathic joy)」を持てる人は、信頼関係を築きやすく社会的にも好かれやすいことが分かっています(Morelli et al., 2015, Emotion)。

さらに、脳科学の研究では、人の成功を喜ぶときに「報酬系(線条体など)」が活性化することが示されています。これは、自分が褒められたときと同じ脳の働きであり、他人の喜びが自分の喜びとしても処理されていることを意味します。

逆に、人の成功を喜べず嫉妬や否定で返してしまう場合、ストレスホルモンの増加や孤立につながりやすいことも報告されています。

応援と挨拶に共通するもの

孫の「良かったね」、チアリーディングの相互応援、イチロー選手の言葉、そして心理学や脳科学の研究。
これらに共通しているのは「相手を尊重し、努力や存在を認める心」です。
応援や挨拶は、ただの言葉や形式ではなく、相手への敬意と共感を形にしたもの。人と人をつなぐ、幸せの循環を生み出す大切な習慣なのだと思います。


あなたは最近、誰かの喜びや努力にどんな反応をしましたか?
「良かったね」「ありがとう」「おめでとう」――その一言が、相手の心を温め、自分自身をも幸せにしてくれるかもしれません。

今日も佳き日に

コーチミツル

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