193.「“目標のその先”を描く力 ― 目的が人を動かす理由」

ブログ内容を朗読しています(193.「“目標のその先”を描く力 ― 目的が人を動かす理由」)

目標と目的、混同していませんか?

目標と目的。似ているようで、大きく意味が異なります。
目標は「何を達成したいか」、目的は「なぜそれを達成したいのか」。

たとえば、「TOEICで800点を取る」は目標です。
しかし、その点数を取ること自体がゴールではありません。
本当に大切なのは「その英語力をどう使いたいのか」、つまり“目的”です。

このテーマについては、以前のブログ記事「目的・目標・Goalについて」で詳しく整理していますので、併せてご覧いただければと思います。


目的があると、行動は力を持つ

歴史を振り返ると、目的が人を動かした例は数多くあります。

たとえば、アメリカの黒人公民権運動。
キング牧師が掲げた「I Have a Dream(私には夢がある)」というスピーチは、単なる目標(法律改正や待遇改善)を超えて、「すべての人が平等に生きられる社会を実現する」という明確な“目的”を示していました。
その理念に、多くの人が共感し、社会を動かす原動力となったのです。


大義名分があると、人は強くなる

「何のために」――この“目的”が明確なとき、人は苦しい道のりでも力を発揮します。

戦後の日本でも同じような事例があります。
焼け野原となった国土を復興させるため、誰もが「将来の子どもたちのために」という思いを胸に動いたといわれています。

個々の目標は「道路を直す」「建物を建てる」といった小さな作業かもしれませんが、その先に「平和な国を再建する」という明確な目的があったからこそ、あのような復興を成し遂げられたのです。


「目的が見えない」ときのヒント3つ

ただ、実際には「自分には大きな大義名分なんて思いつかない」と感じる方も多いかもしれません。
そんなとき、目的を見つけるヒントとして、次のような視点があります。

① 誰の笑顔を想像できるか?
自分の行動が、家族・友人・地域の誰かを少しでも笑顔にするなら、それは立派な目的です。

② 自分の経験が誰かの役に立つとしたら?
過去の失敗、努力、工夫――それらが、今困っている誰かの希望になる可能性は十分にあります。

③ 「未来の誰か」に手紙を書くとしたら?
自分がしていることを、未来の子どもや社会に向けて説明するとしたら、どんな思いを伝えたいですか?
そこに、あなたの“目的”が隠れているかもしれません。


目標は“点”、目的は“線”

目標は「どこに到達したいか」という“点”のようなもの。
目的は「なぜそこへ向かうのか」という“線”を描くものです。

この“線”があることで、点と点がつながり、自分の歩んでいる道に意味が生まれます。
そして、道のりが困難でも、迷わず歩き続ける力になります。


目的は、共感を呼び未来をつくる

目標は個人の達成を示すもの。
でも、目的は“共感”を生み、周囲の人々を巻き込んでいく力があります。

「何のために、それをするのか」――
この問いへの答えは、必ずしも大きなことでなくて構いません。
小さな気づきや思いやりの中に、未来をつくる種があるのだと思います。

今日も佳き日に

コーチミツル

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