123.トランペットを洗いながら、小学生の頃を思い出した日

ブログ内容を朗読しています(123.トランペットを洗いながら、小学生の頃を思い出した日)

今日は久しぶりにトランペットを洗いました。


中性洗剤を入れたぬるま湯に楽器をひたし、ブラシやスワブで管の中まで丁寧に掃除。
すると、どろどろとした汚れが…意外とたまっているものですね。(苦笑)

この作業をしている時、ふと小学生の頃の記憶がよみがえってきました。

器楽部と、仲間との時間

僕たちの小学校では、4年生の時に「器楽部」ができました。
原先生の指導のもと、エレクトーン、ピアニカ、マリンバにアコーディオンや木管楽器、金管楽器を中心に練習。
男子たちはトランペットやトロンボーン、ホルンなどを担当していて、みんなが幼なじみでいつも和気あいあいでした。
誰も「厳しい」とか「しんどい」とは思わず、時々ウルトラセブンの主題歌をみんなで即興で演奏したりしながら楽しみながら音を鳴らしていたように思います。

たしか、何ヶ月かに一度、みんなで楽器の水洗いをしていたような記憶があります。
土曜の午後、木造校舎の木の年輪が浮き出たような木の板の床に座って、たらいに水を張って…。作業をしながらドリフターズのギャグの話をしたり、手より口が動いていた方が多かったようにも思います。
それでも洗った後の楽器は、なんだか音まですっきりと澄んでいた気がします。

なぜ、掃除中に昔の記憶がよみがえるのか?

こうした作業の中で昔の思い出がよみがえるのには、ちゃんと理由があるそうです。

1. 脳がリラックス状態になるから

単純作業をしていると、脳は“ぼんやりモード”に入り、
普段は眠っているような記憶がふっと浮かびやすくなります。

2. 五感が記憶を呼び起こすから

水の感触、金属の冷たさ、オイルの匂い…
そういった感覚が、記憶の奥を刺激します。
これは”プルースト効果”と呼ばれています。

プルースト効果は、

「五感の刺激(とくに匂いや味)」 → 「思いがけない記憶」という流れで、
本人も忘れていたような記憶を、感覚が“引っぱり出してくる”ような感覚だそうです。

3.身体が覚えている記憶があるから

当時と同じ手順、同じ手の動き、同じ道具、同じ形の楽器
身体が覚えている“情動記憶(じょうどうきおく)”が、まるでアルバムをめくるように思い出させてくれるのです。

”情動記憶”とは、「感情と結びついた記憶」のことで、

たとえば:

  • 昔聞いた音楽を聴いたとたん、なつかしくなって泣きそうになる
  • 特定の匂いで、ある場所や人を思い出す
  • 子どもの頃に遊んだ公園に行くと、ワクワクした気持ちがよみがえる

こういった、感情を伴って脳や身体に残っている記憶のことです。

これは「扁桃体(へんとうたい)」という脳の部分が関係していて、楽しい・悲しい・怖いなど、感情が強く動いた体験は、より強く記憶に残る性質があるとのことでした。

楽器の手入れは、心の手入れ

トランペットは、繊細な音を出す一方で、バルブにオイルを差したり、グリスで管をなじませたりと、どこか機械的な魅力もあります。少年時代の僕は、そんな手入れの作業と吹いている時の繊細さとのギャップがたまらなく好きでした。

今日は、そんな感覚を思い出しながら、静かに、ゆっくりと磨きました。
音は出していないけれど、心が音を奏でていたような時間、幼馴染にも伝えたいと思いました。

今日も佳き日に

コーチミツル

タグ:
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