
Well-Being Spiralについて考えていると、どうしても「少しずつ良くなっていく姿」を思い浮かべます。
何かをやってみる。
少し変化が起きる。
その変化が次の行動につながる。
そして、らせんを描きながら少しずつ上へ進んでいく。
自分も当初は、そんなイメージを強く持っていました。
でも、実際の人生はそんなに単純ではありません。
前に進んでいる時もあれば、何とか今を保っている時もあります。
そして時には、うまくいかないことが重なり、気持ちも行動も下向きになっていくことがあります。
だとすると、Well-Being Spiralにも、いくつかの状態があるのではないか。
最近、そんなことを考えるようになりました。
上へ向かう「上昇スパイラル」
まず分かりやすいのは、物事が少しずつ良い方向へ動いている状態です。
何かをやってみる。
少しうまくいく。
それが嬉しくて、またやってみる。
その行動が、次の変化につながる。
自信がついたり、周囲から応援してもらえたり、新しい機会が生まれたりすることもあります。
一つひとつは小さな変化でも、しばらく経って振り返ると、以前とは違うところにいる。
これを自分は、
上昇スパイラル
Growing Spiral(育つ)
と考えてみたいと思います。
上がらなくても、回っている
一方で、やっているのに大きな変化が起きない時があります。
毎日続けている。
それなりに頑張っている。
でも、状況はあまり変わらない。
そんな時には、
「自分は停滞しているのではないか」
と思うことがあります。
でも、本当にそうでしょうか。
上には進んでいなくても、下にも落ちていない。
今の状態を保ちながら、同じような軌道を回っている。
自分はこれを、
循環スパイラル
Keeping Spiral(保つ)
と考えてみたいと思います。
これは停滞ではなく、
「保っている時間」
です。
恒星と衛星のように
この循環スパイラルを考えていて、ふと恒星と衛星の関係を思いました。
衛星は、同じような軌道を回り続けています。
遠くへ進んでいないように見えても、止まっているわけではありません。
動き続けながら、一定の関係を保っています。
人も似ているのかもしれません。
大きく成長しているようには見えなくても、
生活を続けている。
仕事を続けている。
誰かとの関係を保っている。
健康を何とか維持している。
毎日を崩さずに過ごしている。
それは、何も起きていないのではなく、
今の軌道を保っている
ということなのかもしれません。
同じところを回っているように見える時間にも、意味があります。
人間は欲がありますから、同じところでは満足しない自分もいますが、
現状維持のための努力もあるわけなので、それはそれで素晴らしいのかもしれません。
Well-Keepingは、軌道を保つこと
これは、Well-Being Spiralの中で考えている
Well-Keeping(続ける・保つ)
にもつながります。
帆を張っても、いつも風が吹くわけではありません。
根を張っても、すぐに芽が出るとは限りません。
何も変わっていないように見える時間にも、
帆を張ったまま風を待つ。
根を張ったまま春を待つ。
そんな時間があります。
上へ向かっていなくても、崩れずに保っている。
それもまた、Well-Beingの一つの状態なのではないかと思います。
一つのWell-Doneで軌道が変わる
そして面白いのは、同じ軌道を回っていた状態が、ある時少し変わることです。
きっかけは、大きなことではないかもしれません。
誰かに声をかけてみる。
申し込んでみる。
一度だけ参加してみる。
いつもとは違うやり方を試してみる。
少し休んでみる。
誰かに相談してみる。
Well-Being Spiralでは、こうした小さな行動を
Well-Done(行動する)
と考えています。
同じところを回っているように見えても、一つのWell-Doneによって軌道が少し変わることがあります。
その時には小さな一歩にしか見えなくても、あとから振り返ると、
「あそこから流れが変わった」
と思うことがあります。
だから、循環している時間も無駄ではありません。
むしろ、その軌道を保っていたからこそ、新しいきっかけをつかめることもあります。
下へ向かう「下降スパイラル」
もちろん、反対の流れもあります。
一つうまくいかない。
気持ちが落ち込む。
行動しなくなる。
さらに状況が悪くなる。
自信を失う。
そして、また行動できなくなる。
こうして、少しずつ下へ向かってしまうことがあります。
これを、
下降スパイラル
Falling Spiral(下がる)
と考えてみます。
誰でも、こうした流れに入る可能性があります。
大切なのは、
下降スパイラルにいることを「ダメな状態」と決めつけないこと
だと思います。
まず、
「今、自分は下向きの流れの中にいるのかもしれない」
と気づく。
それだけでも、次の行動は変わります。
下降している時のWell-Doneは「頑張ること」とは限らない
上昇スパイラルにいる時は、
もっとやってみよう。
挑戦してみよう。
というWell-Doneが起こりやすくなります。
でも、下降スパイラルの中にいる時に、同じように「もっと頑張ろう」とすると、かえって苦しくなることもあります。
そんな時のWell-Doneは、もっと小さくてよいのだと思います。
休む。
眠る。
食べる。
誰かに話す。
助けを求める。
その場から一旦離れる。
できない自分を責めるのをやめる。
それも、立派なWell-Doneです。
下降スパイラルから、いきなり上昇スパイラルへ飛び移る必要はありません。
まず、下降する勢いを弱める。
そして、少しずつ循環スパイラルへ戻る。
そこからまた、次の一歩が生まれる。
そんな動きもWell-Being Spiralなのだと思います。
今、自分はどのスパイラルにいるのだろう
この考え方で大切なのは、
上昇、循環、下降のどれが良い、悪いと評価することではありません。
大切なのは、
今、自分がどのスパイラルにいるのかを見極めること
です。
しかも、一人の人が一つのスパイラルにいるとは限りません。
仕事では上昇スパイラル。
健康では循環スパイラル。
人間関係では下降スパイラル。
そんなこともあるでしょう。
人生全体を、
「自分はうまくいっている」
「自分はダメだ」
と一括りにする必要はありません。
領域ごとに見てみることで、自分の状態が少し見えやすくなります。
スパイラルを支える「自己基盤」
そして、この3つのスパイラルを考えていると、もう一つ重要なものが見えてきます。
それが、
Personal Foundation(自己基盤)
です。
睡眠や食事。
身体の状態。
生活のリズム。
安心できる場所。
信頼できる人との関係。
自分を支えてくれる環境。
こうした自己基盤が整っている時、上昇スパイラルは安定しやすくなります。
循環スパイラルにいる時には、今の軌道を保つ力になります。
そして下降スパイラルにいる時には、それ以上落ち続けないための足場になることがあります。
スパイラルが、
「今の自分の動き」
だとすれば、
自己基盤は、
「その動きを支える土台」
と言えます。
揺れた時には、心柱へ戻る
そして、もう一つ。
自分がどこへ向かえばよいのか分からなくなった時には、
Shinbashira(心柱)
へ戻ってみる。
自分は何を大切にしたいのか。
本当はどうありたいのか。
何のためにこれをしているのか。
答えがすぐに出なくても、そこへ戻ることで、次の一歩が見えてくることがあります。
そして、その一歩がWell-Doneになります。
上がることだけがWell-Beingではない
こうして考えると、Well-Beingとは、
いつも上向きに成長し続けることではないのかもしれません。
育つ時がある。
保つ時がある。
下がる時もある。
ちょうど植物が冬場は自ら葉を落とし、春の芽吹きのための準備をしているように
下降していることに気づき、支えを借り、自己基盤を整え、心柱へ戻り、小さなWell-Doneを起こす。
そしてまた循環し、やがて上向きになることもある。
人生とは、そうした動きを何度も繰り返すものなのだと思います。
だからこそ時々、
「今、自分はどのスパイラルにいるのだろう?」
と問いかけてみる。
その問いが、自分を評価するためではなく、
自分の今を理解するための問い
になればいい。
上昇していなくてもいい。
今の軌道を保っているだけでもいい。
そして下がっているなら、まずそのことに気づけばいい。
そこから、また始めることができます。
この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・
今日も佳き日に
コーチミツル
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