
十数年前、自分にとって職場でとても辛かった時期がありました。
その頃、ある人から、
「考えが、ぶれぶれです」
と、かなり率直に言われたことがあります。
当時の自分には、この言葉がかなり刺さりました。
リーダーなのだから、考えをしっかり持たなければならない。
一度決めたことを簡単に変えてはいけない。
そんなふうにも思っていました。
でも今になって振り返ると、少し違って見えてきます。
人の話を聞けば、考えが変わることもある
いろいろな人の意見を聞く。
自分には見えていなかった事情を知る。
違う立場からの考えに触れる。
そうすれば、
「なるほど。それなら、こちらの方がいいかもしれない」
と判断が変わることがあります。
それは本当に「ぶれている」のでしょうか。
新しく知ったことを受け入れて、より良い方向へ考え直しているとも言えます。
もちろん、何でも変えればいいわけではありません。
組織としての交渉ごとなどでは、
「ここだけは譲れない」
という線もあります。
守らなければならないものまで動かしてしまえば、信頼を失うこともあるでしょう。
変えていいものと、変えてはいけないもの。
その違いが大切なのだと思います。
立場が違えば、見える世界も違う
当時の自分は、一つの部署だけが良ければいいとは、なかなか思えませんでした。
こちらには、こちらの事情がある。
向こうには、向こうの事情がある。
それでも、組織全体として考えたら、どうするのが一番いいのだろう。
自分は「全体最適」を考えようとしていたのだと思います。
一方で、組織にはそれぞれの立場があります。
自分の部署を守らなければならない人もいる。
自分の役割を果たさなければならない人もいる。
立場が違えば、見える世界も違います。
だから、あの時「ぶれている」と見えたことも、その人の立場からすれば、そう見えたのだと思います。
どちらが正しい、間違っているということではなかったのでしょう。
本当に辛かったこと
今振り返ってみると、当時何が一番辛かったのかが少しわかります。
厳しいことを言われたことだけではありません。
自分が大切にしたい考えや、自分なりの思想を抑えて行動しなければならない。
そこに大きな苦しさがあったのだと思います。
全体を見たい。
いろいろな人の話を聞きたい。
より良い方法が見つかったなら、考えを変えてもいい。
そんな自分と、
「リーダーなのだから、ぶれてはいけない」
と思う自分。
その間で揺れていたのかもしれません。
ぶれぶれでも、いい
今なら、こう思います。
ある意味、
ぶれぶれでも、いい。
人の話を聞いて、考えが変わる。
経験をして、ものの見方が変わる。
昨日の自分と今日の自分が、少し違っている。
それは、生きていれば自然なことなのだと思います。
木も、風が吹けば揺れます。
大切なのは、まったく揺れないことではありません。
揺れたあと、どこに戻るのか。
ぶれても、心柱に戻ればいい
自分はWell-Being Spiralの中で、「Shinbashira(心柱)」という言葉を使っています。
心柱とは、迷った時、揺れた時に、自分が戻ってくる場所です。
自分は何を大切にしたいのか。
どうありたいのか。
何のために、この判断をするのか。
そこに戻ることができるなら、途中で考えが変わってもいい。
周りの声を聞いて、柔軟に方向を変えてもいい。
「ぶれない」とは、ずっと動かないことではなく、ぶれても戻れることなのかもしれません。
十数年前の自分に、今、声をかけるとしたら、
「ぶれぶれでも、いいよ」
と言うと思います。
いろいろな立場から世界を見ようとしたから、迷った。
いろいろな人の思いを受け止めようとしたから、考えが変わった。
それも、自分らしさだったのでしょう。
ぶれてもいい。
迷ってもいい。
ただ、自分の心柱を大切にする。
そして、またそこへ戻ればいい。
この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・
今日も佳き日に
コーチミツル
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