Well-Being Spiral Series
スパイラルという時間の中で
前回は、Well-Being Spiralの中でも陥ることがある「呪縛」について整理しました。ここからは、そのスパイラルと時間についての関係性について、具体的な人物の経験を通して見ていきます。
スティーブ・ジョブズの転機
スティーブ・ジョブズ は、Appleの共同創業者として知られていますが、その歩みは順調な成功の連続ではありませんでした。1985年、経営方針の対立によって、自ら創業したAppleを去ることになります。自分が作り上げた場所から離れるという経験は、大きな転機だったはずです。

なぜ創業者は去らないといけなかったのか
当時のAppleでは、理想を追い求めるジョブズと、経営の安定を重視する組織との間にズレが生じていました。ジョブズは「本当に良いものを作ること」に強くこだわり、一方で会社は利益や持続性、組織運営を求めます。この理想と現実の衝突は、多くの組織や人間関係の中で起こり得る構造でもあります。
Appleが直面した経営の揺らぎ
ジョブズが去った後のAppleは、方向性が定まりにくくなります。製品ラインは増え、戦略が分散し、何を強みとする会社なのかが見えにくくなっていきました。その結果、競争力が低下し、経営は次第に厳しい状況へと向かっていきます。ここから見えてくるのは、単に優れた製品だけでなく、明確なビジョンと一貫性が組織には必要だということです。
NeXTとPixarでの経験
Appleを離れたジョブズは、新たにNeXTとPixarという二つの分野に関わります。NeXTは主に高性能コンピュータやソフトウェア基盤を開発する企業で、後の技術に大きな影響を与えました。一方、Pixarはコンピュータグラフィックスによるアニメーション制作を行うスタジオで、『トイ・ストーリー』の成功によって新しい映像表現の時代を切り拓きました。
これらの経験は、単なる「次の仕事」ではなく、
「技術と表現の両面で、価値を生み出し続ける時間」
でもあったのだと思います。
行動がつないだ「復帰」
その後、経営的に苦しい状況にあったAppleはNeXTを買収し、その流れの中でジョブズはAppleに復帰します。ここで興味深いのは、彼が戻ることができた理由です。
それは偶然ではなく、
「Appleを離れた後も、作り続けていたから」
ではないかと感じています。
NeXTで技術を磨き、Pixarで新しい価値を生み出し続けたことによって、
「理想を持ち続けただけでなく、それを現実の成果として積み重ねていた」
その積み重ねがあったからこそ、
「再び必要な存在として求められた」
のではないかと思います。
点と点は、あとからつながる
2005年のスタンフォード大学のスピーチで、ジョブズは次のように語っています。
“You can’t connect the dots looking forward; you can only connect them looking backwards.”
未来を見て点と点をつなぐことはできない。過去を振り返ってつなぐことしかできない。
Well-ComismとWell-Doneのつながり
この言葉は、Well-Comism(受け入れる)という考え方と深くつながっています。しかし同時に、それだけでは十分ではないようにも感じます。
出来事を受け入れることは出発点であり、
「その後に何をするか」
が、意味を形にしていくのだと思います。
つまり、
「受け入れること(Well-Comism)」と
「行動し続けること(Well-Done)」
この二つが重なることで、
「出来事が意味を持ち始める」
のではないでしょうか。
スパイラルの中で起きていること
同じ出来事であっても、時間が経つことで見え方が変わることがあります。それは自分の立っている位置が変わっているからであり、内側での変化が積み重なっているからかもしれません。この感覚は、同じ場所を巡りながらも少しずつ上に進んでいくスパイラルの構造と重なります。
最後に
人生は、すべてを理解してから進むものではなく、進みながら意味が見えてくるものです。そして出来事が人生を変えるのではなく、その後に何をするかが人生を変えていくのかもしれません。
【出典】
スティーブ・ジョブズ スタンフォード大学卒業式スピーチ(2005)
Apple / NeXT / Pixar に関する公開資料
この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・
今日も佳き日に
コーチミツル
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