
子どもはなぜ全力で泣けたのか
子どものころは、嫌なら泣きました。
嬉しければ跳びはね、怒れば全身で怒る。
いわゆる“ギャン泣き”もされて本当に困ったことがあります。
けれど成長とともに、私たちは我慢を覚えます。
空気を読む。
場を壊さない。
飲み込む。
これは成長なのでしょうか。
感情を隠せることの良いところ
心理学ではこれを「情動制御(emotion regulation)」と呼びます。
前頭前野が発達することで、衝動を抑えられるようになります。
これは社会適応において重要な能力です。
・人間関係が安定する
・長期的視点を持てる
・衝動的な言動を防げる
我慢できることは、未熟さではなく力です。
しかし、抑え込みには代償がある
問題は「制御」ではなく「抑圧」になったときです。
心理学者ジェームズ・グロスの研究では、感情を押し込める「抑制」はストレス反応を高め、心拍数や交感神経活動を上げることが示されています。一方で、感情を意味づけし直す「再評価」は心理的負担を減らします。
さらに、感情を長期的に抑え続けると
・うつ傾向
・不安傾向
・自己理解の低下
につながる可能性があることも示唆されています。
感じないようにしても、身体は感じている。
ここが落とし穴です。
感情は敵ではなく「ナビ」である
感情は問題ではありません。
情報です。
怒りは「大切なものが傷ついた」というサイン。
悲しみは「大事なものを失った」というサイン。
不安は「備えよ」というサイン。
感情を切ると、人生のナビを切ることになります。
本来の自分に向き合うための第一歩
コーチングの視点では、感情は出すことよりも「気づく」ことが重要です。
心理学には「感情ラベリング(affect labeling)」という概念があります。
「今、自分は怒っている」と言葉にするだけで、扁桃体の過活動が抑えられることがfMRI研究で確認されています。
つまり、感じることは暴走ではなく、調整の第一歩。
まずは静かに認識することです。
コーチング的実践アプローチ
問いを変えるだけで、内面との向き合い方は変わります。
今、何を感じていますか?
出来事ではなく感情に焦点を当てる。
その感情は、何を守ろうとしていますか?
怒りの奥には価値観があります。
悲しみの奥には愛着があります。
もしその感情を否定しなくていいとしたら?
感情+自己否定が、苦しさを増幅させます。
感情そのものに善悪はありません。
成熟とは「感じる力」と「整える力」を持つこと
子どもに戻ることが理想ではありません。
感じる。
でも振り回されない。
泣ける。
でも立ち上がれる。
怒れる。
でも壊さない。
それが本来の強さだと思うのです。
あなたは最近、自分の感情を聞きましたか?
怒りを隠したまま笑っていませんか。
寂しさを忙しさで埋めていませんか。
今、あなたは何を感じていますか?
この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・
今日も佳き日に
コーチミツル
感情 #感情コントロール #情動制御 #本来の自分 #自己理解 #コーチング #メンタルヘルス #自己成長 #WellBeing #自分と向き合う