367.壊れたマグカップがそっと知らせてくれた、小さな“節目”の物語(破杯の文化と、研修成功のあとに起きた静かな出来事)

今日、会社で8年間使い続けてきたマグカップの取っ手が、ふいに取れました。
何か強い力を加えたわけでもなく、ただ洗おうとした瞬間に、静かに。

実はこのマグカップ、CX-5を初めて購入した際にマツダの工場見学をして、その記念に購入した大切なマグカップです。

「縁起でもない」と感じる人もいるかもしれませんが、自分の胸に広がったのは、その反対の感覚でした。

――ああ、今日はそういう日なんだ。

そんなふうに、静かに腑に落ちていったのです。


初めて企画したマナーアップ研修が、想像以上にうまくいった日

今日は、昨年度末に教育計画を策定し、やっと予算取りができ、そして、中堅スタッフの力を借りて社外から講師を招いた「マナーアップ研修」の本番でした。

時間も限られており開始前は不安もありましたが、終わってみれば想像以上の大成功。

参加者の一人からは、こんな言葉がありました。

「講師の方の愛が感じられた研修でした」

マナーというとルールや所作に意識が向きがちですが、その根底にある“相手を思いやる心”の温度が、講師から自然に滲み出ていたのでしょう。
その空気に触れた参加者は、最初から主体的に学び最後まで笑顔がはじけているように見えました。

そして管理職の方からは、印象的な感想がもう一つ。

「参加者が積極的で主体的だった。ここから会社が変わるという“希望の光”が見えた」

ただ受動的に座っている研修ではなく、社員一人ひとりが「学びを取りにいく姿勢」で臨んでいた。

これは、単なる研修の成功ではなく、**会社という組織全体が変わり始めた“兆し”**のように感じられました。

ただ受け身で座っているのではなく、学びを自ら取りにいく姿勢がいくつも見えた、と。

単なる研修ではなく・・・。


そしてその直後、静かに役目を終えたマグカップ

その手応えが胸に残ったまま、洗おうとしたその瞬間。
8年間寄り添ってくれたマグカップの取っ手が、ふっと取れました。

驚きよりも先に“ああ、そうか”という感覚が来たのが、自分でも不思議でした。

節目の日に、節目のような壊れ方をするものなんだな、と。

そういえば、初めてお誘いを受けた大きなコーチング研修のファシリテーションをした最終日に、天然石ブレスレットがはじけ飛んだことがありました。


人は出来事に“意味”を与えることで前へ進む

心理学には、“意味づけ(meaning making)”という概念があります。

人は、起きた出来事を「何だったのか?」と解釈することで、心の整理をし、次の行動へ進む力を得る——
これはヴィクトール・フランクルの研究でも語られています。

特に 人生の移行期(トランジション) では、象徴的な小さな出来事が起きることがあるとも言われます。

今日の出来事は、まさにそれでした。


武士が盃を割って節目を迎えた文化「破杯(ははい)」

日本の武士の世界には、節目にあえて盃(さかずき)を割る「破杯(ははい)」 という習慣がありました。

盃は「これまでの縁」「これまでの役割」を象徴する器。
それを割ることは、

  • 過去との決別
  • 新しい道への覚悟
  • 退路を断つ強い意志

を意味していました。

今日のマグカップの壊れ方は、自分が“割った”のではなく、“自然に壊れた”。

それなのに、破杯と同じ象徴性を感じました。

まるで、
「あなたは次の章に進みましたよ」
という静かな合図のように。


持ち物は“自分の一部”——だから壊れたとき、何かが動く

消費者心理学者ラッセル・ベルクは、持ち物は「拡張された自己(extended self)」だと言いました。

長く使ってきた物ほど、自分の役割・日々の習慣・時間の流れと結びついていきます。

8年間の仕事を支えてくれたマグカップが壊れたことが、節目の日の出来事として胸に響いたのは、
とても自然なことでした。


捨てずに、役割を変えてそばに置くことにした理由

壊れたからといって、捨てるつもりはありません。
供養に出すのでもなく、ただ“役割を変えて”そばに置こうと思いました。

  • 研修を企画し、人が動く瞬間をつくれた
  • 参加者の主体性や希望の光が見えた
  • そして、自分自身がまた新しい役割へ運転し始めた

だからこそ、このマグカップは、壊れたあとも 「これまでの道の象徴」 として残しておきたい。

キャロル360CX-5のミニカーの間に置くと、過去から未来へのバトンのように見えました。


終わりは、新しい章の静かな扉

講師の愛に満ちた研修、
主体的に学ぶ参加者たち、
管理職が見た“希望の光”。

そしてその直後、静かに役目を終えていったマグカップ。

終わりは終わりではなく、次の章への扉が静かに開いた合図だったのかもしれません。

そのマグカップには、こう書かれていました。

Be a driver.

自分の人生の運転手であるのは、いつだって自分。
今日という節目を越えて、また新しい道を走り始めたいと思います。


今日も佳き日に

コーチミツル

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