
はじめに
AIやZoomを使う機会が増える中で、「自分の会話内容や個人情報がどこまで安全なのか?」と気になり、
自分でも実際に調べてみました。
調べていく中で感じたのは、多くのリスクは“使い方と設定”で防げるということ。
そして、AIやZoomの安全性は「使う側がどう理解し、どう扱うか」で変わるということです。
ここでは、コーチミツルが調べた情報をもとに、
AI・Zoomの個人情報保護と設定方法を“参考情報”としてまとめます。
最終的にはぜひ、自分自身で確認し、自分の結論を出してほしいと思います。
AI(ChatGPTなど)を使うときに知っておきたい基本
AIは便利なツールですが、会話内容がどのように使われているかを理解しておくことが大切です。
ChatGPTなどのAIサービスでは、入力された会話内容を
**「モデルの改善(学習)」**に利用することがあります。とあります。
モデルの改善(学習)とは?
ChatGPTのようなAIは、「大量のデータを学び、次の回答をより良くする」仕組みで動いています。
ここでいう“学習”には2つの段階があります。
種類 | 内容 | 利用されるデータ例 |
---|---|---|
事前学習(Pre-training) | 本や論文、Web上の公開情報をもとに基礎知識を学ぶ | 公開データのみ |
モデル改善(Fine-tuning) | 実際のユーザーとの会話データを使って、表現や精度を向上させる | 入力された質問・会話内容(個人情報が含まれる可能性あり) |
つまり、「モデルの改善に使う」というのは、
あなたの会話内容の一部がAIの性能向上のために再利用されるという意味です。
ただし、ChatGPTでは次のような仕組みで安全性が確保されています。
- 会話内容は自動的に暗号化される
- 個人を特定できる情報は学習対象から除外するよう努めている
- 有料版では「学習に使わない」設定を自分で選択できる
安全にAIを使うための設定ポイント
項目 | 推奨設定 | 理由 |
---|---|---|
入力内容 | 個人名・住所・契約内容などは入力しない | モデル学習に使われる可能性を防ぐ |
学習利用設定 | 「設定 → データ管理 → トレーニングに使用しない」を選択 | 会話内容をAI改善に使わせない |
チャット履歴 | 不要な会話は削除 | 残すことで情報流出のリスクが増す |
アーカイブ利用 | 表示を隠す目的なら有効 | 内容は残るが外部には公開されない |
学習利用設定については、端末それぞれに設定する必要もあるということでしたので、スマートフォンやPC併用で使われている場合は、設定がどうなっているかを改めてチェックされた方が良いかと思います。

ちなみにPC上で「すべての人のためにモデルを改善する」の設定をオフにすると、ChatGPTにチャット履歴が学習データに利用されなくなります。
「チャットを残す」と「アーカイブする」の違い
上の設定表示にもありますが、実際にChatGPTを使う際、「チャットを残す」「アーカイブする」という操作の違いを理解しておくと安心です。
項目 | チャットを残す | アーカイブする |
---|---|---|
内容 | 履歴に残り、いつでも再開可能 | 一時的に非表示にして保管 |
表示場所 | 左側のチャット一覧に常時表示 | 「アーカイブ」内に保存され非表示 |
削除との違い | 完全削除ではない | データは残るが限定アクセス |
外部公開 | なし(自分のみ閲覧可) | 同様に外部公開されない |
🔸 ポイント
アーカイブは「削除」ではなく「一時的に隠す」仕組みです。
したがって、外部に公開されることはありませんが、完全に消したい場合は削除が必要です。
Zoomを使うときの個人情報保護設定
Zoomは通信自体が暗号化されており、通常の利用では安全と言われています。
ただし、録画やAI要約などを使うと、一時的にデータが外部サーバーに保存されるため注意が必要です。
項目 | 推奨設定 | 内容 |
---|---|---|
会議パスコード | ON | 招待者以外の入室防止 |
待機室 | ON | 主催者が承認してから入室 |
録画 | OFF または ローカル保存(個人PC内) | クラウド録画は外部保存になる |
AI要約 | OFF(または同意を得て使用) | 音声データが外部サーバーに送信される |
公共Wi-Fi | 使用しない | 通信傍受のリスクあり |
「安全に残す」「安全に消す」の判断基準
状況 | 対応の目安 |
---|---|
一般的な質問・雑談 | 残してOK |
個人情報・契約内容 | 削除または学習オフ設定 |
クライアントの相談内容 | 削除または記録しない |
社内機密・プロジェクト情報 | 履歴もアーカイブも残さない |
基本的に個人情報や契約内容、守秘義務によるものについては、学習オフにするか話さない、どうしても話さないといけない場合は終わった後にデータを削除するということが大切かと思います。
まとめ
- AIの「モデル改善」とは、会話内容をもとに回答精度を高める仕組み
- ChatGPTでは設定で学習利用を止められる
- チャット履歴とアーカイブは「残すか隠すか」の違いであり、外部公開はされていない
- Zoomは暗号化されて安全だが、録画・AI要約機能は要注意
コーチミツルのまとめ
今回の記事は、自分が調べた範囲の情報をもとにまとめたものです。
AIやZoomの仕組みは日々更新されており、今後も仕様やセキュリティ方針が変わる可能性があります。
ですので、ここに書いた内容はあくまで参考として、
最終的には自分で設定を確認し、自分の判断で使うことをおすすめします。
AI時代の安心とは、
「ツールを疑うこと」ではなく「自分が理解して使うこと」から始まるのだと思います。
次回(明日)の第2回は、コーチングにおけるAIツール等を利用するうえでの留意事項を記載します。
今日も佳き日に
コーチミツル
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