206.ChatGPTに勝てるのは、“観察力”かもしれない

最近、AIの進化には本当に目を見張るものがあります。
ChatGPTのように、質問すればすぐに答えてくれて、言葉のやり取りもスムーズ。
ときには「自分より頭が良いのでは」と思うこともあるくらいです。

そんな中、ある研究者の言葉に、深く心を動かされました。
東京大学准教授の鈴木俊貴さん。
鳥の「言葉」を研究する動物言語学者として知られる方です。


鳥の言葉を解明した研究者の姿勢に、共感

鈴木准教授は、シジュウカラという鳥が「文法のある言葉」を使って仲間と意思疎通していることを明らかにした方です。

その発見の裏にあったのは、最先端の機械ではなく、
ひたすら自然の中で、じっくりと観察を重ねる姿勢でした。

「とにかく観察です。びっくりするくらい、ずっと観察ばかりしてきました」

この言葉を読んだとき、自分の中にあったぼんやりとした感覚が、ことばになった気がしました。


AIと人との違いは、今のタイミングでの「観察力」かもしれない

ChatGPTのようなAIは、これまでに蓄積された情報を高速で処理し、答えを導き出してくれます。
けれど、目の前にある現実を「観察する力」は持っていません。

たとえば、人の表情の微妙な変化、言葉にしない沈黙、風のにおいや空気の湿り気…。
それらに気づくのは、人の感覚だからこそできること。

鈴木准教授の研究も、こうした**「目に見えにくい違い」を丁寧に見つめる力**があったからこそ、鳥の言葉という繊細な現象を捉えられたのだと感じました。


観察力は、自然との対話から育つ

鈴木さんが観察していたのは、森に住む鳥たちでした。
自分が日々向き合っているのは、庭の木々や畑の草花です。

環境は違っても、「観る」という行為に込められた想いには、どこか通じるものがあります。

たとえば、昨日と今日の葉っぱの色の違い。
咲いたばかりの花の向き。
畑の土の湿り気や、野菜の葉の表情…。

こうした自然の“語りかけ”のような変化に気づくたび、
「人は観察を通じて、世界と対話しているのだな」と感じることがあります。


コーチングの現場でも、観察がすべて

鈴木さんは動物の観察を通じて「言葉の意味」に気づきましたが、
人のコーチングの現場でも、やはり大切なのは観る力です。

相手の言葉に耳を傾けるだけでなく、
その時の声のトーンや沈黙、手の動きや視線のゆらぎ…。

言葉に現れない部分を丁寧に観察することで、
「この人は今、何を大切にしようとしているのだろう」
そんなことが、ふっと浮かんできます。

AIのように即答はできなくても、
時間をかけて、じっくりと観ることから生まれる“気づき”がある。
そんなふうに、鈴木さんの研究とコーチングの共通点を感じています。


鈴木准教授の姿勢に学ぶ、観察力の磨き方

では、自分たちも日々の暮らしの中で、観察力を育てていくにはどうすれば良いのでしょうか。
鈴木さんの研究姿勢に共感しながら、実践できそうな方法をまとめてみました。

方法内容
自然の中で“ただ見る”時間をつくる鳥のようすや雲の動きを、目的もなく眺めてみる
「違い」を探す遊びをしてみる昨日との変化、左右の違いなど、微差を楽しむ
沈黙の時間を味わう会話の“間”に注意して、表情や空気の変化に気づく
五感をひらく観察は視覚だけでなく、音・香り・手ざわりでも育つ
小さな気づきを書き留める気づいたことを日記やメモに残すことで、感覚が鋭くなる

AIが当たり前のように隣にいる時代になって、


「人間にしかできないことは何だろう」と、ふと考えるようになりました。

そんなときに出会った、鈴木俊貴さんの言葉。
観察することの力強さや、そこに宿る可能性に、心から共感しました。

ChatGPTにはできないこと。
それは、目の前にある小さな変化に気づく“観察”という営みなのかもしれません。

これからも、自分は庭木や畑の変化に耳を澄ましながら、
そして人との対話の中でも、沈黙に寄り添いながら、
“観察力”を育てていきたいと思います。

今日も佳き日に

コーチミツル


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