
小学生の頃、仮面ライダーが大好きでした。
学校が終わると友だちと集まって、「へんしんっ!」とポーズを決めて、思いきり遊んでました。
自分の自転車がサイクロン号に見えて、風を切って走るとほんとに強くなった気がしてくるんですよね
まるで自分もヒーローになったみたいで、何か正しいことをしてるような気持ちにもなる。
あれ、すごい力だったと思うんです。
でもふと、大人になった今思うんです。
あの「変身!」って、いったい何だったんだろうって。
カエルやチョウは、ちゃんと「変身」してるよね
自然の中には、ほんとにすごい変身をする生き物がたくさんいます。
カエルなんかは、卵からオタマジャクシになって、手足が生えて、陸を跳ね回るようになる。
モンシロチョウは、青虫だったのがさなぎになって、いつの間にか羽を持つ美しい蝶に。
トンボなんて、最初は水の中でヤゴとして暮らしてて、ある日突然空を飛び出すんですから。
あれはもう、見た目も生き方もまったく別の存在に“変身”してますよね。
人間だって、ちゃんと変身してるんじゃない?
じゃあ、人間はどうかというと、あんまり「変身」してる感じってないですよね。
でも実は、見えないところではけっこう変わってるんです。
「109.年相応(としそうおう)ってどういうこと?」のところでもお話ししましたが、たとえば僕たちの身体、細胞単位でどんどん入れ替わってるんですよ。
- 皮膚の細胞は1ヶ月くらいで新しくなるし、
- 腸の細胞は約1日で生まれ変わるし、
- 血液も約4か月で新しいものに、
- 骨に至っては数年かけて、まるっと新しいものに作り直される。
…ってことは、数ヶ月から数年で「ほとんど別人」みたいな身体になってるんです。
これってある意味、自然な「変身」じゃないですか?
内面だってちゃんと変わってる。科学的にも。
しかも身体だけじゃなく、心や脳もちゃんと変わることがわかってます。
🧠 脳の可塑性(かそせい)
「脳は大人になっても変化し続ける」
これは、神経科学者のエリク・カンデル(2000年ノーベル生理学・医学賞受賞)らの研究でも明らかにされています。
カンデルは、学習によってシナプスの結びつきが強くなり、脳の構造そのものが変わることを実証しました。
また、MRI研究では、瞑想や楽器の練習、筋トレによって脳の特定の部位(海馬や運動野など)が実際に厚くなることが確認されています(例:Lazar et al., 2005)。
🧬 エピジェネティクス
「遺伝子の働きは生き方で変わる」
エピジェネティクスとは、DNAそのものの配列は変えずに、ライフスタイルや環境が遺伝子のオン・オフに影響を与える仕組みです。
例えば:
- 喫煙やストレスが発がん遺伝子のスイッチをオンにする(Feil & Fraga, 2012)
- 食事や運動で健康を促進する遺伝子が活性化する(Ornish et al., 2008)
つまり、日々の行動が体質や性格まで形づくる可能性があるということです。
自分が目指してる理想の体型、実は仮面ライダーなんです(笑)
正直に言うと、今筋トレをがんばってるのも、
どこかであの頃憧れた仮面ライダーの姿に近づきたいからなんです。
無駄がなくて、機能的で、シュッとしてて、強さの中に優しさがにじむような体型。
子ども心に焼きついたヒーロー像が、今のトレーニングのモチベーションになってます。
筋トレで身体が変わってくると、自信がついてくる。
自然と姿勢も変わるし、表情も明るくなるし、人との関わり方までちょっと変わってきます。
これって、「外見が変わったことで内面にも変化が出てきた」ってことだと思うんです。
まだまだ理想の姿には程とおりですが(苦笑)
まさに、大人の“変身”。
変身って、なりたい自分になるための行動の積み重ねなんかな
子どもの頃は、ポーズを取るだけでヒーローになれた気がした。
でも、大人になった今は、行動して変わっていくことが“変身”なのかもしれないなと思います。
新しいことを始めたり、ちょっと生活を整えたり、筋トレを続けてみたり…。
そんな一歩一歩が、やがて全然違う自分を作ってくれる。
しかも、今日も体の中では細胞が入れ替わっていて、確実に“新しい自分”が生まれてる。
これはもう、変身しないほうが難しいんじゃないかって思うくらいです。
今のあなたは、どんな自分に変わりたいですか?
もしもその“なりたい自分”を思い浮かべたとき、
「変身ポーズを取るとしたら、どんな形になりますか?」
子どもの頃みたいに、思いきりポーズを決めてみてもいいし、
心の中でそっと“変身!”とつぶやいてみるだけでもいい。
今日から、自分だけの変身ポーズを考えてみませんか?
そこから、スイッチが入ってあなたの変身が始まるかもしれません。
今日も佳き日に
コーチミツル