113.目は口ほどに物を言うのは本当か(視線が伝える本音と沈黙の眼差(まなざ)し

ブログ内容を朗読しています113.目は口ほどに物を言うのは本当か(視線が伝える本音と沈黙の眼差(まなざ)し)

自分はパソコンの画面背景に子犬や子猫の画像をスライドショーで表示する設定を していますが、その動物たちのを表情を見て単純に可愛いと思うだけでなく、キリッとした眼差しを見て、意志を感じたりすることがあります。また、会議の司会やセミナーのファシリテーションをする際に、直感的にある人の表情を見て「発言をしたいように感じますがどうですか。」等、参加者に訊くこともあります。そんな時は結構な確率で当たっていることが多いのですが、この直感的に感じるものって、特に目の表情(視線や眼差しなど)が影響しているのではないかと個人的に思っています。

「目は口ほどに物を言う」ということわざは、本当に正しいのでしょうか?

「メラビアンの法則」では、コミュニケーションにおいて、ノンバーバル(非言語)の割合が93%、言語(バーバル)の割合は7%と言われています。

もちろん、言葉(言語)で伝えるのも大事ですが、目が何も言わずに伝えるものは、もっと深く、鋭く、私たちの心に触れることがあります。視線一つで、その人が抱える想い、意図、感情が浮き彫りになり、また逆に、視線を隠すことで言葉以上に「何か」を伝えていることもあると思います。

視線の“力”を改めて考える


視線には、単なる「見る」という行為以上の意味が込められていると思います。私たちは無意識(経験的)のうちに、相手の視線から多くを読み取っているはずです。心理学と脳科学の研究では、視線が私たちの心を動かす力を持っていることが証明※されています。※Frischen et al. (2007)”フリッシェンエトアル”「視線の方向は相手の意図や注意の手がかりとして処理される」など

例えば、サッカーのパス回しなど視線が合うことで「信頼」「安心」を感じることがある一方、刑事映画のように犯人が視線を避けることで「警戒」「不安」を感じることもあります。また、私たちは言葉よりも先に、視線から相手の意図や感情を読み取ろうとする傾向があると思います。

感情が“見える目”の特徴


では、実際に目のどんな動きや特徴が、私たちの感情を映し出しているのでしょうか?

上目遣い
上目遣いは、感情的な甘えや依存を表す時に見られる仕草です。「貴方に頼りたい」「守ってほしい」という無言のサインです。心理学的に見ると、視線が下向きになることで、無力さや脆弱さを表現します。

黒目が大きい
黒目(瞳孔)が大きく見えると、一般的に「かわいさ」や「親しみやすさ」を感じます。これは進化的に、赤ちゃんや小動物が持つ特徴と同じです。大きな目は「守りたい」「保護したい」という感情を引き出します。

視線が合う・安定している
目がしっかりと相手を見つめているとき、その人は自信を持っている、または集中している状態です。逆に、視線が揺れることは不安定や混乱を示唆することもあります。

「読ませない目」(隠された意図
一方で、すべての目が私たちの感情をそのまま伝えるわけではありません。
目を見ても、その中に隠された思いを読み取れない場合もあります。それが「読ませない目」や「読めない目」の特徴です。この時は、視線が定まっていないぼんやりしたような特徴もあるようにも思います。

視線が合わない
視線を合わせないとき、その人は何かを隠している、あるいは無意識に感情を隠そうとしている場合が多いです。視線を逸らすことは、警戒や不安のサインとしても現れます。

目が泳ぐ
目が左右に動く、または視線を逸らす動作は、「嘘をついている」「何かを隠している」場合に見られることがあります。人は無意識に目をそらすことで、真実を避けようとするのです。

遠くを見る目が語る“沈黙の意志”
時として、私たちは言葉で何も語らず、ただ目を見つめることで強い意志を表現します。映画のワンシーンのように、その目が見つめる先は、過去ではなく未来。無言で遠くを見つめる姿に、人はしばしば「覚悟」や「決意」を感じ取ります。また、視線が遠くを見つめているとき、その人は無意識に“未来”だけでなく“目的”に集中していることもあります。空を見上げる、地平線を見つめるとき、その目は目の前の現実を超え、もっと大きなものを見つめているのです。言葉では表現しきれない思い、内なる葛藤を乗り越えようとする強い意志が込められていると思いませんか。

目はノンバーバルの言語である


目は、言葉よりも速く、そして深く私たちの本音を語ることがあります。
その視線一つで、相手の心を感じることができるし、自分自身の気持ちを伝えることもできる。
時には、言葉以上に目に宿るものが重要だと感じています。

ノンバーバルである視線には、感情が隠されていることもあるし、逆に、無言の眼差しが心の叫びとなることも。
目は、私たちが無意識に放つ言葉なき言葉です。だからこそ、視線を読み取る力を持つことが、人間関係を深めるための大きな手助けになるのではないかと思います。コーチングでも目の表情を大切にしています。

最後に


目を見て相手の心を読み解くことは、まるで沈黙の会話を交わしているようなものです。
今度、貴方が相手の目を見つめるとき、その視線に込められた意図や感情を、少しだけ意識してみていただけませんか。貴方の想いも、言葉以上に多くを語って相手に伝わっているかもしれませんね。

今日も佳き日に

コーチミツル

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!