82.雪に耐えて梅花麗し(ゆきにたえてばいかうるわし)

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先日暦でいう啓蟄(けいちつ)のお話しを

79回目のブログにしたためさせていただきましたが、日本は四季があり、春夏秋冬それぞれの良さがあります。

数ヶ月すれば次の季節に移り行くといえばその通りですが、今日は、自然の凄さを垣間見るような経験をしました。

その経験というのは、

今朝の寒さです。昼前には暖かな陽射しで気持ち良かったのですが、早朝に墓へ花を立てに行った時の寒さと言ったら、それはそれは厳しいものでした。

いわゆる放射冷却現象の朝、

草木には霜が貼り付き、昔の冷蔵庫の冷凍室のように冷たいというか痛いような寒さでした。

墓に持って行く水を出すにも、庭の井戸水の蛇口を捻っても水は出てきません。それでもチョロチョロと水を出し続けてなんとか溜めることができました。

お墓の花を手向ける花筒(はなづつ)も中の水がカチカチで柄杓(ひしゃく)の柄(え)で割らないと花が立てられないくらいです。軍手をしていない自分はその冷たさに、手先の指のジンジンと染み入るような痛みに口をつぐんで目をつむることしかできませんでした。幸い、そのあとは、家に帰ってエアコンの温風に手を差し出せば指先の痛みから解放してもらえ、ホッと一息ということになります。

少し落ち着きを取り戻したころ、今朝の風景が甦りました。

草木は今日のような霜のときも耐えている。いやそれだけでなくて、大雪の日も雨風の日でも、酷暑の時も自分の力のみで生き抜いていると、一方でたった数分で泣きそうになるくらい手先の冷たさに何もできない自分、暖房の力を借りないと生活できない自分の弱さを感じ、今日は、草木の強さに尊敬の念を抱かずにはおられませんでした。

草木だけではありません。

玄関の前に火鉢に水を溜めメダカを飼っているのですが、雪よけにしていたザルを外しました。霜朝だったので表面は薄氷が張っていたのですが、昼過ぎになると氷も溶けて少し暖かくなってきました。

そして、水の張った火鉢を覗き込んで、ずっと中の様子を見てみると、2匹のメダカが泳いでいる姿、いわゆる生存確認ができました。

正直、家の外で冬を越すのは大変です。

暖房も冷房もない自然界で自分の力のみで季節を越す、生き延びるというようなサバイバルというのが正しいかと思います。

そのメダカの1匹は、去年生まれたばかりの稚魚でしたが、元気に冬を越してくれてありがたいというか感謝の気持ちも生まれました。

草木も生き物も季節の厳しさに感謝や文句を言うことはありませんが、耐え忍ぶ美しさを感じた次第です。

「雪に耐えて梅花麗し※」

ということわざがありますが、今年も耐えて生きる梅の花が咲くのを楽しみにしております。

※【雪に耐えて梅花麗し】

梅の花は寒い冬を耐え忍ぶことで春に最も美しく咲くことから、人間も多くの困難を経験してこそ大きなことを成し遂げられるという意味がある

西郷隆盛の言葉で、苦難や試練に耐え、それを乗り越えた時に大きく成長できることを意味する

広島東洋カープの黒田投手の座右の銘

今日も佳き日に

コーチミツル

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