55.沈丁花(じんちょうげ)の想い出

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確か今頃の季節だろうか、小学生の高学年の頃

色紙に花や木の絵を書いて一言文章を添えるような課題があって、何にしようか悩んでいたところ、お袋が、当時家の横庭にあった沈丁花(じんちょうげ)を描いてはどうかという提案をしてきた。

自分は、No Planだったので、すぐにそれに飛びつき沈丁花を絵にすることにしたが、もちろん、花を観て感動するようなこともなかったので、それに添える言葉など思いつかず、そんな自分を見てお袋が、その言葉も考えてくれました。

「春の○○」ああ、○○を忘れてしまった~。「訪れ」「香り」「足跡」「気配」「匂い」どれも違うような合っているような気がするが、その当時、すごくしっくりした言葉をお袋が教えてくれた。

特にその絵で何かに入選することもなかったが

その時に季節と花がつながっていることを意識した記憶があって、初春に沈丁花の香りが漂う中,花を見るたびに誰に言うこともなく想い出していた。

その横庭の沈丁花、大人になってから草刈りをしたときに間違って切ってしまい、それから咲くことはなかったが、6年くらい前に近くのホームセンターで一株見つけて、前庭の塀と石の後ろの傍目には見えないところに植えることにした。

お袋には黙っていたが

その年の春、初めて甘い香りの花を咲かせた沈丁花、お袋が病院に行くときにほのかに漂う香りに気づき石の方向に目を向けて「沈丁花の香りがする」と気づいてくれた。その次の年は、雪に埋もれて大切な枝が折れたが、ビニールテープで補強して何とか命を繋ぎ今年もつぼみを付けている。

ちなみに沈丁花の花言葉は、

「永遠」「栄光」「不滅」「不死」だそうで、白や薄紅色の小さな花が集まって咲く香り高い花、三大芳香木のひとつにも選ばれているそうだ。

今年の沈丁花はお袋に観てもらうことができなくなったが、これからもこの花の香りかぐたびにお袋のことを想い出すのだろうなと、そういう意味では、「永遠」「栄光」「不滅」「不死」は、ピッタリな花言葉なのかなと思う。

あっ、今本当に思い出した!! 「春のつかい」だ!!今だったら「遣い」と書くかもしれない。

お袋の亡くなった時期と重なることになる季節、春のつかいとして、花言葉の意味をしみじみと感じてうるっときた。

今日も佳き日に

コーチミツル

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