前回は、10年前と今の拳の角度が偶然重なった中学のクラスメートとのつながりについて書きました。
今回は、さらに長い時間をさかのぼります。
小学4年生からの幼なじみとの音楽の縁。そして、46年間越えられなかった壁を、思いがけず越えた出来事です。
長い年月を経ても、人とのつながりは新しい可能性を生み出してくれるものですね。

始まりは小学4年生の器楽部
自分がトランペットを始めたのは、小学4年生のときでした。
当時、一緒に器楽部で音楽を始めた仲間に、ダバこと山口潤くんと、アットこと青戸裕之くんがいました。
最初は3人ともトランペットを吹いていましたが、その後、ダバとアットはホルンに変わり、自分はトランペットを続けました。
中学に入ると、アットは野球部へ進み、音楽を通じたつながりは次第に薄くなっていきました。
そして高校進学。
自分は実業高校へ、ダバとアットは普通高校へ進みました。
それぞれが違う道を歩み始めたのです。
酒屋のアルバイトで買ったドラム
高校は別々になりましたが、ダバと自分は山陰フィルというオーケストラに所属していたので、週に一度は顔を合わせていました。
さらに、山陰フィルから帰る道中にオフコースのコピーバンドに勧誘されました。
ダバはキーボードにギター、そしてボーカルまで担当。
自分はダバに勧められてなぜだかやったこともないドラムを始めました。
当時8万円くらいしたと思いますがドラムセットを買うために、冬休みには酒屋でアルバイト。
自分で働いて手に入れたドラムを、一生懸命練習していたことを思い出します。(あ、軍資金についてはおばあちゃんも手伝ってくれました。)
あれから46年。
当時は、ただ音楽が好きで、仲間と演奏することが楽しかった。
それぞれの人生、再びつながった3人
その後、ダバはプロのホルン奏者として大阪Shionで活躍しました。
アットは航空会社のパイロットという道を歩みました。
自分も仕事や家庭を中心とした生活の中で、30年ほどトランペットから離れていた時期があります。
それぞれの人生には、それぞれの時間が流れていました。
そんな3人が、2022年に再び音楽でつながりました。
自分が作詞、アットが作曲、ダバが編曲した「かんなびぬ」という作品が東京で初演されたのです。
小学4年生の頃、同じトランペットを吹いていた3人が、長い年月を経て、一つの作品をつくる。
人生とは面白いものです。
残念ながら、アットは再演を待つことなく2023年に遠くて近い世界に旅立ちました。
それでも、一緒に音楽を始めた記憶も、3人でつくった作品も残っています。
音楽には、時を超えて人をつなぐ力があるのだと思います。
そして、半世紀近く経って、再びダバから楽器を教わる日が来るとは思ってもいませんでした。
帰省最後の日の特別なレッスン
そして今回。
帰省していたダバが、最後の日に時間をつくって、自分にトランペットのレッスンをしてくれました。
教えてもらったのは、唇のアンブシュアと息の使い方。
さらに、ジャズのタンギングについても教えてもらいました。
ホルンとトランペットは違う楽器ですが、同じ金管楽器として共通する基本があります。
長年プロとして演奏してきたダバから、直接教えてもらえるのは本当にありがたいことです。
ちょっとした唇の使い方や息の流れによって、音の出方が変わってきます。
頭では理解できても、身体が自然に動くようになるには、繰り返しが必要です。
教えてもらったことを、これから何度も練習して、自分のものにしていきたいと思います。
46年間の壁を越えた、まさかのハイG!
そして、今回のレッスンで一番驚いたこと。
高校時代から、自分のトランペットの高音域はハイEかハイFあたりが限界でした。
それ以上は、なかなか出せない。
いつの間にか、そこが自分の限界なのだと思っていました。
ところが今回、ダバに唇のアンブシュアや息の使い方を教えてもらいながら吹いていると、これまで一度も出したことのなかったハイGが出たのです。
これには自分でもビックリ!
高校時代から46年間、越えられなかった壁を、突然越えてしまいました(笑)。
もちろん、一度出たからといって、いつでも出せるようになったわけではありません。
でも、今まで出なかった音が出たという事実は、自分にとって大きな発見です。
考えてみれば、壁だと思っていたものは、自分でつくっていた限界だったのかもしれません。
できないと思っていたことと、本当にできないことは違う。
そして、その違いに気づかせてくれるのが、誰かとの出会いや学びなのだと思います。
46年前も今も、可能性を広げてくれる友
46年前、ダバに勧められてドラムを始めました。
そして今回、ダバに教えてもらったことで、トランペットの新しい音に出会いました。
考えてみれば、あの頃も今も、ダバは自分の音楽の世界を広げてくれています。
人との出会いやつながりは、不思議なものです。
自分一人では気づかなかったことに、誰かの言葉や関わりによって気づく。
そして、できないと思っていたことが、ちょっとしたきっかけでできるようになる。
これは音楽だけでなく、仕事や日々の暮らし、コーチングにも通じることだと思います。
もちろん、すべての壁が簡単に越えられるわけではありません。
でも、長年積み重ねてきた経験に、新しい視点や方法が加わることで、思いがけない可能性が開けることがあります。
今回のハイGは、そんなことを教えてくれたように思います。
そして、その可能性を自分のものにするためには、やはり日々の積み重ねが必要なのでしょう。
半世紀を超えて、また音楽を
小学4年生の器楽部で、3人がトランペットを吹いていた頃。
高校時代、山陰フィルやオフコースのコピーバンドで音楽を楽しんでいた頃。
そして、それぞれの人生を歩んできた長い年月。
アットは旅立ってしまいましたが、3人で音楽を始めたあの日は、今も自分の中にあります。
今回、ダバと楽器を手にして写真を撮りながら、そんな長い時間のつながりを感じました。
ダバ、帰省最後の貴重な時間をありがとう。
教えてもらったことを繰り返し、自然にできるようにしていきたいと思います。
今度会うときには、今日よりも成長した音を聴いてもらえたらうれしいですね。
そして、また一緒に音楽を楽しみたいものです。
半世紀を超えても続く友情と、いくつになっても広がる新しい可能性。そんな喜びが、誰かの心にも届きますように。
今日も佳き日に
コーチミツル
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