525.一周回って、自分に戻る【第3回/5回】60歳、まだ未熟だと言った絵師(人生は、最後まで深まっていく)

「もう完成した」

そう思った瞬間から、
人は成長を止めてしまうのかもしれません。

今回は、
葛飾北斎(かつしか ほくさい) の人生から、

“人生は最後まで深まっていく”

ということについて考えてみたいと思います。


世界に影響を与えた日本人

葛飾北斎(かつしか ほくさい)は、
江戸時代を代表する浮世絵師(うきよえし)です。

1760年に江戸で生まれ、
幼い頃から絵に興味を持ち、
貸本屋などで働きながら絵を学びました。

その後、
浮世絵の世界へ入り、
数多くの作品を残していきます。

しかし、
最初から順風満帆だったわけではありません。

生活に苦労した時期もあり、
名前を何度も変え、
90回以上引っ越したとも言われています。

それでも描くことをやめず、
70歳を過ぎてから、
代表作「富嶽三十六景(ふがくさんじゅうろっけい)」を発表しました。

特に『神奈川沖浪裏(かながわおきなみうら)』は、
世界でも知られる作品となり、
海外の芸術家たちにも大きな影響を与えています。


「70歳で、やっと少し分かってきた」

北斎は晩年、

「70歳でようやく動植物の構造が少しわかってきた」

という意味の言葉を残したと伝えられています。

さらに、

  • 80歳で進歩し
  • 90歳で奥義(おうぎ)に近づき
  • 100歳で神の領域へ

とも語ったとされています。

普通なら、
世界的評価を受ければ、

「もう十分」

と思っても不思議ではありません。

でも北斎は、
最後まで“未完成”であり続けました。


本当に深い人ほど、「まだまだ」と言う

人生経験を積んだ人ほど、

「自分はまだ浅い」

と言うことがあります。

逆に、
少し分かった時ほど、
人は断定したくなる。

これは、
音楽でも、
仕事でも、
コーチングでも、
似ている気がします。

最初は、
技術や知識を追いかけます。

でも、
続けているうちに、

“答えのない深さ”

に気づき始める。

そして、
その奥行きを感じられること自体が、
成熟なのかもしれません。


人生は「完成」を目指すものではない

Well-Beingという言葉を考える時、

「完璧になること」

ではなく、

“自分らしく深まり続けること”

も大切なのではないかと思います。

若い頃は、
結果や評価を求めがちです。

でも人生後半になると、

  • もっと知りたい
  • もっと感じたい
  • もっと深めたい

という感覚に変わっていくことがあります。

それは、
競争ではなく、
探究に近い感覚です。


一周回って、また学び始める

還暦(かんれき)とは、
干支(えと)が一周する節目。

でも、
同じ場所に戻るわけではありません。

経験を積み、
悩み、
失敗を重ねた上で、
もう一度“初心”に戻っていく。

それは、
円ではなく、
スパイラルです。

北斎もまた、

「もう完成した」

ではなく、

“もっと深く知りたい”

という場所へ向かっていたように感じます。


最近、自分自身も、

「知れば知るほど、奥が深い」

と感じることがあります。

コーチングも、
Well-Beingも、
心柱(しんばしら)も。

以前は、
もっとシンプルに考えていました。

でも、
続ければ続けるほど、

「簡単に答えを出せない」

という感覚になってきます。

ただ、
それは苦しさだけではなく、

“人生を深く味わえる喜び”

でもあるように感じています。


人生は、
完成するものではなく、
深まっていくものなのかもしれません。


この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・

今日も佳き日に
コーチミツル

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