
毎週火曜日の夜。
なんとなくテレビをつけると、つい見てしまう番組があります。
日本テレビ系、毎週火曜よる7時から放送されている
『ヒューマングルメンタリー オモウマい店』。
中京テレビ制作の全国放送番組です。
「オモウマい」とは、
“オモてなしがスゴい”
“オモいまでにウマい”
を掛け合わせた番組オリジナルの言葉だそうです。
全国各地の、
・盛りすぎ
・安すぎ
・サービスしすぎ
・そして店主が濃すぎる
そんな“普通ではない飲食店”が、毎回紹介されています。
「ヒューマングルメンタリー」という言葉に込められた意味
この番組のタイトルにある
**「ヒューマングルメンタリー(Human × Documentary)」**という言葉も、とても象徴的だと感じています。
Human(人間)に焦点を当てた
Documentary(記録・ドキュメント)。
つまりこの番組は、
グルメ番組でありながら、主役はあくまで「料理」ではなく「人」。
その人の生き方、働き方、価値観を記録していく。
そんな意味合いが、この言葉には込められているのだと思います。
確かに題材は「グルメ」ですが、描かれているのは、
・なぜこの価格なのか
・なぜこの量なのか
・なぜこの働き方なのか
・なぜ、やめないのか
という、人生の選択そのものです。
「食」を通して「人」を描く。
だからこそこの番組は、
“ヒューマングルメンタリー”と名付けられているのではないか。
そんなふうに感じています。
スタッフの“距離の取り方”というこだわり
もうひとつ、この番組に強く感じるのが、取材スタッフと店主との距離の取り方です。
オモウマい店は、一度行って終わりではなく、長期間の密着取材が行われます。
何日も、何度も通い続ける中で、最初はよそよそしかった関係が、少しずつ、仲間のような関係に変わっていきます。
・最初は無口だった店主が、少し笑うようになり
・やがて、愚痴や本音をこぼすようになり
・最後には、スタッフを家族のように迎える
この「関係性が育っていく過程」そのものが、番組の空気をとても温かいものにしているように感じます。
なぜかしら、見てしまう理由
オモウマい店は、「すごい」「安い」「量が多い」だけでは終わりません。
・その店に流れる空気
・店主の口癖
・常連とのやりとり
・怒鳴り声や、笑い声
・不器用な優しさ
そうしたものが重なって、**“この店で流れている時間そのもの”**が伝わってきます。
そして必ず、どこかで想定外のサービス、想定外の一言、想定外の優しさが現れます。
だから私たちは、驚きながら、笑いながら、なぜか安心しながら見続けてしまうのかもしれません。
これは「趣味」ではなく「プロの現場」
番組に登場する店主さんたちは、口をそろえて言います。
「儲からん」
「きつい」
「休みたい」
それでも、その店は次の日も開いています。
仕込み、仕入れ、調理、接客、片付け。
どれをとっても、完全にプロの仕事です。
・時間を守る
・味を守る
・値段を守る
・常連を裏切らない
これは、「好きだからやっている」だけでは続かない、職業人としての覚悟だと感じます。
それでもなぜ、人は“やってしまう”のか(報酬系の話)
人の脳には、「快・意欲・達成感」を生み出す報酬系という仕組みがあるそうです。
その中心にあるのが、ドーパミンと呼ばれる物質です。
ドーパミンは、
・お金を得たとき
・褒められたとき
・目標を達成したとき
にも分泌されますが、特に強いのは、
・誰かが心から喜んだ瞬間
・誰かに必要とされた実感
だとも言われています。
オモウマい店の店主さんは、売上よりも先に、人の反応で“脳が報酬を受け取っている状態”なのかもしれません。
これは、外から与えられる報酬(お金)ではなく、**内側から湧き上がる報酬(内発的動機づけ)**とも考えられます。
お金を出しても、やりたいことなのか
理屈で考えれば、
・値上げしたほうがいい
・休んだほうがいい
・効率化したほうがいい
そう思う場面は、いくらでもあるはずです。
それでも店主さんたちは、その“非効率”を選び続けています。
そこにあるのは、「お金のため」だけでは説明しきれない、**“在り方としての仕事”**なのかもしれません。
なぜ、この番組は「ヒューマングルメンタリー」なのか
この番組は、
・飲食店を通して
・人生を映し
・価値観を見せ
・幸せの定義を揺さぶってきます。
グルメ番組でありながら、実は、人間そのものを描くドキュメンタリーなのだと感じるのです。
お金をかけてでも(減ったとしても)、人のためにやりたいことがあるとしたら、どんなことだろうか。
その「人のためにやりたいこと」を、もう少し具体的な行動として表現するなら、どんなことになるだろうか。
そして、それをしているときの自分は、どんな気持ちでいるだろうか。
今日も佳き日に
コーチミツル
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