
就職後に出会ったケネディ演説という原点
商業高校を卒業してすぐ会社に入りましたが、ありがたいことに会社内に「国内留学制度」があり、31歳のときに2年間、大学で学ばせていただきました。
学生として過ごす時間はとても新鮮で、せっかくの機会なので ESS(English Speaking Society/英語研究会) に入会することにしました。
ESSには4つのセクションがあり、
- スピーチ
- ディスカッション
- ディベート
- ドラマ
という構成でしたが、その中で、将来会社でのプレゼンの役に立つかと考えて スピーチセクション を選びました。
……とはいえ、2年間ESSに在籍していましたが、実は英語はいまでも苦手です(笑)
それでも一生懸命暗唱した日々は、今も懐かしく思い出されます。
新入生(フレッシュマン)と一緒に最初に取り組んだのが、ジョン・F・ケネディ大統領の就任演説の暗唱でした。
(今も続いているのかはわかりませんが…)
冒頭はこの一節から始まります。
“Fellow citizens, we observe today not a victory of party but a celebration of freedom…”
「同胞のみなさん、私たちが今日目にしているのは、ある政党の勝利ではなく、“自由”を祝うことなのです。」
ケネディが語った、あの有名な言葉
【原文】
“Ask not what your country can do for you — ask what you can do for your country.”
【訳文】
「国があなたのために何をしてくれるかを問うのではなく、あなたが国のために何ができるかを問おうではありませんか。」
当時は「名言だな」と思いながら暗唱していただけでしたが、社会人として働く中で、この言葉は静かに深みをましていきました。
大きな“国”ではなく、身近な“場所”から考えてみる
「国のために何ができるか」と言われると、自分はちっぽけな存在ですし大きくて遠い話に感じてしまいます。
ただ、ケネディが伝えようとしたのは、考え方だったのではないでしょうか?
- 誰かが何かをしてくれるのを待つのではなく
- まず自分にできることを探すこと
- 個人よりも全体の良さを大切にする姿勢
という、とても素朴で、しかし誠実な向き合い方だったのだと思います。
日常の中で、私たちは“どこかの一員”
私たちは日常的に、小さなコミュニティの中で暮らしています。
- 家庭
- 職場
- 町内会
- 学校
- 趣味の仲間
国全体となると遠く感じますが、自分が関わっている半径数メートルからの世界に目を向けると、「今できること」は意外と多く見つかります。
ほんの小さな行動でも、その場を少し明るくする力があります。
そして、この“ささやかな一歩”という感覚は、コーチングで使われる ソリューションフォーカス(解決志向アプローチ) の「スモールステップ」にもどこか似ています。
大きな変化をいきなり求めるのではなく、今日できる小さな行動に目を向けることで、前に進む力が自然と生まれてくる。
そんな考え方は、日常にもそっと寄り添ってくれる気がします。
“自分ができること”は案外すぐそばにある
ひとつ行動すると、まわりにも静かに良い変化が生まれます。
- 声を掛け合える
- 感謝が生まれる
- 小さな信頼が積み重なる
ケネディの言葉は壮大に見えますが、実は日常にもそっと寄り添ってくれる言葉であるように感じています。
今日、自分にできる小さな一歩は?
最後に、この記事をひとつの問いで締めたいと思います。
今日、自分が所属する小さなコミュニティのために、“そっとできること”は何でしょうか。
その一歩は、小さく見えて、やさしく大きな力になるのかもしれません。
今日も佳き日に
コーチミツル