
今朝、畑に水やりをしました。
梅雨が明けて、しばらく雨が降らない予報も出ていたので、少し早起きをして、朝6時前に畑へ。
お隣の畑は、草が一本もないほどきれいに整えられていて、いかにも「手入れされています」という感じ。
一方、自分の畑はというと、野菜のまわりには雑草が元気よく生い茂っています。
自然栽培という方法を取り入れてから、なるべく草は抜かないようにしているのですが、やっぱり草が多いと「これでいいのかな…?」と心配になることもあります。
でも、今朝の畑でふと、そんな気持ちが少しやわらぎました。
野菜も雑草も、朝露をいっぱいに受けて、葉っぱがキラキラ輝いていたんです。
その姿がなんともいきいきとしていて、見ているこちらの心まで洗われるようでした。
草って、抜かないことで何か良いことがあるんじゃないか――そんなふうに思った朝でした。

草を抜かないことで見えてきた、いくつかの“いいこと”
まず感じたのは、草が生えている場所の土がしっとりしていたことです。
同じ畑の中でも、草がないところの土は少し乾いていて、場所によってずいぶん違うのが分かりました。
草があることで、土に直接日が当たらず、乾きにくくなるのだと思います。
ちょうど自然の「マルチシート(保湿のために使う被覆材)」のような役割をしてくれているんですね。
それから、もう一つ気づいたのは、虫の被害が少なかったことです。
最近育てているズッキーニの葉に、ウリハムシがあまり来ていないのです。
よく見ると、草がない場所のズッキーニは葉っぱが食われているのに、草に囲まれているズッキーニは、ほとんど無傷でした。
もしかすると、草があることで虫の目くらましになったり、匂いがまぎれてしまったりしているのかもしれません。
また、草の根っこは土の中をゆるめてくれますし、草が枯れて土に還れば、土の栄養にもなります。
そう思うと、雑草もただの“邪魔者”ではなく、畑の仲間のひとつなのかもしれません。

ズッキーニの画像は、ChatGPTにより自動生成しています。
それでも気になる「草を抜かないと野菜が育たないのでは?」
とはいえ、「草が生えていたら、野菜が栄養を取られてしまうんじゃないか?」という心配は、自然栽培をしている人なら一度は感じることだと思います。
実際、草と野菜は同じ場所で育つと、水や栄養を取り合う関係になります。
特に、まだ根っこが小さくて力の弱い時期(植えたばかりのころなど)は、野菜が草に負けてしまうこともあります。
そのため、野菜の根っこの広がりにプラス20センチくらいの範囲は、草を抜いたほうが安心だと言われています。
日当たりや風通しもよくなりますし、野菜がしっかり育つスペースを確保することができます。
でもそれ以外の場所、たとえば畝(うね)の間や通路などは、あえて草を残すことで
「土の保湿」や「虫よけ」「微生物のすみか」など、良い役割を果たしてくれることもあるんです。
草との付き合い方は「抜く or 抜かない」じゃなくて「どこをどう残すか」
自然栽培において、草をどうするかというのはとても悩ましい問題です。
でも、白黒はっきりつける必要はなくて、
- 野菜の根もと → 草を抜く
- 畝の間や通路 → 草を残す
- 虫が多い時期 → 草を生かして虫よけにする
というように、場所やタイミングに合わせて調整することが、草との上手な付き合い方なのかもしれません。
ズッキーニのように根が強い野菜は草と共存しやすいですし、葉物野菜などは少し草を整理してあげるとよく育つようです。
草も野菜も、同じ命
「水やりをしてるのに、実は草を育ててるんじゃないか」なんて、冗談めかして笑っていたこともありました。
でも、今はそんな草たちが、畑にとってとても大切な存在に思えています。
草も、野菜も、同じ大地に根を張って、共に生きている命。
それぞれに役割があって、それぞれに育つ理由があるんだなと、今朝の朝露が教えてくれた気がします。
これからも、「全部きれいにする」ことよりも、
「草も野菜も育つ畑って、どんな景色だろう?」という視点で、畑と向き合っていきたいと思います。
今日も佳き日に
コーチミツル
参考にした情報
- 東京農業大学 応用生物科学部(2015)「雑草による土壌水分保持に関する調査」
- 京都大学 農学研究科(2017)「多様な植生による害虫の抑制効果」
- 東京大学 農学生命科学研究科(2019)「雑草と作物の栄養競合に関する研究」