301.前編 AIも人も、エビデンスを確かめる力を(“信じすぎ”が生むハルシネーション / Hallucination)

最近、AIの話題をよく耳にします。
先日、こんな記事を読みました。

👉 AIが事実と異なる情報を語ることのリスク(SmartNewsリンク)

この記事を読んで、あらためて思いました。
AIの答えをそのまま信じてしまうのは、やはり少し危うい。
でも、それはAIだけの問題ではなく、人間の思い込みにも似たところがあるように感じます。


ハルシネーション(Hallucination)とは

「ハルシネーション(hallucination)」という言葉は、
もともと心理学や医学の分野で使われ、
実際には存在しないものを“あるように感じる”現象を指します。

AIの世界でもこの言葉が使われていて、
根拠のない情報を“それらしく”語ってしまうことを意味します。

AIは人のように理解して話しているわけではなく、
「もっとも自然に見える言葉の並び」を予測して出しているだけ。
そのため、情報が足りないときは「ありそうな話」を作り出してしまうのです。


それでもAIを信じてしまう理由

AIの答えは流暢で、自信がありそうに見えます。
だからこそ、「本当に正しいのかな?」と立ち止まるのが難しい。

自分もAIを使っていて、「なるほど」とうなずくことがありますが、
後で確かめると、少し違っていた…という経験もあります。

この「もっともらしさ」こそが、AIのハルシネーションをやっかいにしています。


エビデンス(Evidence)を確かめる習慣を

AIに「根拠(evidence)を示して」とお願いすると、
信頼できる情報(論文・報道・公式データなど)を探そうとします。
これは、誤りを減らすうえでとても良い方法です。

ただ、それでも完全に正しいとは限りません。
AIが引用した情報が古かったり、少し違っていたりすることもあります。
だからこそ、最後に確かめるのは自分自身なのだと思います。


人にもある「思い込みのハルシネーション」

AIだけでなく、人の心にも同じようなことが起こります。
たとえば、

  • 「あの人は自分を嫌っているに違いない」
  • 「みんなが言っていたから本当だろう」
  • 「一度失敗したら終わりだ」

これらも、確かめてみるとそうではないことが多いものです。
つまり、心の中で作り出した“幻”を現実と思い込んでしまう
AIも人も、形は違っても「思い込み」という共通点を持っているのです。


幻に惑わされないための3つの視点

  1. 「それはどこで知ったの?」
     情報源をやわらかく確かめてみる。
  2. 「他の見方もあるかもしれない」
     一つの考えに偏らず、別の角度から見てみる。
  3. 「自分の気持ちはどこに傾いている?」
     信じたい気持ちが判断を曇らせていないか観察する。

これらは、AIだけでなく、人との関わりにも大切な習慣です。


結びに

AIが進化しても、人の「確かめる力」はなくてはならないと思います。
「本当にそうだろうか?」と一呼吸おくこと。
その小さな慎重さが、幻から自分を遠ざけてくれるのではないでしょうか。

そして次回は、この「確かめる力」をさらに深める方法として、
“反論”という名の確認の力について考えてみたいと思います。

今日も佳き日に

コーチミツル



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