
昨日、近所のドラッグストアで買い物をした帰り道のことでした。
いつものようにレジを済ませ、袋詰めをして帰宅したのですが、家に着いてふと気がつきました。
「あれ…財布がない。」
一瞬、背中に冷たいものが走りました。
レジ袋の中を何度見ても見当たりません。思い返せば、最後に財布を手にしたのはあのお店。すぐに電話をかけてみると、
「お預かりしていますよ。こちらにあります。」
その言葉にどれだけ安心したことでしょう。お店の方の対応もとても丁寧で、無事に財布を受け取ることができました。
お礼に何かお渡ししたいと申し出たのですが、
「お気持ちだけで大丈夫です」と笑顔で辞退してくださいました。
その心遣いがとても温かく、ありがたく、深く頭を下げて店をあとにしました。
小さな“恩”を受け取った次の日
そして翌日、またそのお店へ行く機会がありました。
レジを終えて袋詰めをしていると、隣に小さなお子さん連れのお母さんが。
元気いっぱいのお子さんに気を取られていたのか、お母さんがクレジットカードを袋詰め台に置いたまま帰ろうとしているのに気がつきました。
「カード、お忘れではないですか?」
そう声をかけると、お母さんははっとした表情になり、
「うわぁ、ありがとうございます!」
と安堵の笑顔を見せてくださいました。
その瞬間、ふと胸の奥が温かくなりました。
「昨日、自分が受け取った親切を、今日は自分が別の誰かに渡すことができたんだ」
そんな想いが湧き上がってきました。
恩は“返す”だけでなく、“めぐらせる”もの
「恩返し」という言葉は、誰もが知っているものだと思います。
けれど、自分が最近心に響いたのは「恩送り(ペイ・フォワード)」という考え方でした。
これは、親切をくれた人に直接返すのではなく、その思いやりを“次の誰か”に渡していく、というものです。
アメリカの高速道路での出来事がその代表例です。
ある日、料金所でお金を払おうとした運転手が、前の車が自分の分も支払ってくれていたことを知り、感激して次の車の分をまた支払います。
その行動は次々と連鎖し、何十台も続いたという心温まる話です。
このような行為が、人の心をつなぎ、やさしさの循環を生み出すのです。
“恩めぐり”という生き方
一般的に「恩返し」は、その人に直接返すというイメージがあります。
でも人生には、「もう返せない相手」もいるものです。
たとえば、自分に深い愛情を注いでくれた親。
すでに亡くなっている人に対して、直接何かを返すことはできません。
だからこそ、自分が受け取った思いやりや教えを、
次の世代や周りの人に“めぐらせていく”ことが、とても意味のある恩返しになるのではと感じます。
「恩送り」という言葉も素敵ですが、
自分には「恩めぐり」という言葉の方がしっくりくるのです。
まるで川の水が、静かに、そして確かに流れていくように、
やさしさや思いやりも、自然とめぐっていく。
そんな流れの中で、自分もまた誰かの“恩”となれたら…
そう思えた出来事でした。
芸人さんやアスリートの世界でも
この“恩めぐり”の感覚は、芸人さんやプロアスリートの世界にもあります。
先輩にごちそうしてもらったら、そのお返しは後輩にごちそうする――
そんな形で、恩は次の世代へバトンのようにつながっていくのです。
目には見えないけれど、確かにそこにあるつながり。
それは、温かい記憶となって残り、また誰かの行動へとつながっていきます。
あなたが最近、受け取った親切は何でしたか?
そして、それを誰かに“めぐらせた”ことはありますか?
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