
ナビの怪異との5年の付き合い
ここ数年、車のナビに不思議なことが起きていました。
信号で止まると突然、オーディオの音量がマックスに。
ナビの設定も、勝手にあれこれ操作されている…。
自分は、そういう“見えないもの”の存在を否定しないタイプです。
だからこそ、最初に浮かんだのは「これは…もしかして地縛霊の仕業?」という思い。
お経を唱えたり、祝詞をあげたり、膳を打ってみたり…。
そんな日々がなんと5年も続いていました。
事実と向き合うきっかけ
ところが、ふとした拍子に「今一度、冷静に調べてみよう」と思い立ち、
ネットで検索してみると──出てきた言葉が「ゴーストタッチ」。
まさに自分のナビの不具合と同じ現象が、
スマートフォンや車載ディスプレイで報告されていました。
調べた結果、このような現象は静電容量方式のタッチパネルの誤作動が原因とのこと。
埃・湿気・経年劣化・画面の圧迫などによって、
本来触っていないのにタッチされたような状態になってしまうそうです【※1】。
ゴーストだったのは…物理的なタッチの方
原因が判明すると、なんとディーラーで修理も可能とのこと。
ただし、費用は5万円近く…。
「…5年も我慢できたんだから、ゴーストくんとは仲良くやっていこう」
そう思い、次の車の買い替えまで付き合う決心をしました。
結果として、「見えないもの」が原因だと信じていた現象は、
実は物理的な“接触”が見えない形で起きていただけだったのです。
「信じる力」と「調べる力」
この体験を通して思ったのは、
「信じる」ことと「調べる」ことの両方が大切だということ。
見えない世界を信じることで、心が救われる場面もあります。
でも、時にはちょっと立ち止まって「他の見方もあるかも」と思ってみる。
それだけで、世界が変わって見える瞬間があります。
確証バイアスって?
ちなみに、今回のように「見えないものの仕業だ」と思っていたことは、
心理学的には「確証バイアス」と呼ばれる現象に近いのかもしれません。
確証バイアスとは、自分の信じていることに合う情報だけを集め、
反対の証拠を無視する傾向のことです【※2】。
つまり「怪異だ」と思っていると、そう見える出来事ばかりが記憶に残る。
逆に、冷静に調べる視点があれば、それが単なる“機械の不具合”として見えてくる。
不思議なものの正体が、案外「身近な科学」によって説明されることもあるんですね。
それでも「ゴーストくん」には愛着が
でもやっぱり、5年も一緒にいたら、どこか「ゴーストくん」にも親しみがわきます。
不思議な現象だったからこそ、思い出深い出来事になりました。
「見えないもの」も、「見えるもの」も、
どちらにもちゃんと向き合っていきたいと思います。
今日も佳き日に
コーチミツル
参考文献
※1:三菱電機『カーAV製品サポートQ&A』、
https://www.mitsubishielectric.co.jp/carele/guide/faq
※2:Nickerson, R. S. (1998). Confirmation bias: A ubiquitous phenomenon in many guises.
Review of General Psychology, 2(2), 175–220.
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