172.季節が、どこか急ぎ足に(松江の気温データで見つめる地球の変化)


6月初旬、30度越えの予報にふと考えたこと

「今日は30度を超えるそうです」
そんな今朝の天気予報を耳にして、思わずカレンダーを見返しました。
まだ6月の初旬。昔なら、梅雨入りを迎えたばかりで、涼しい風が吹いていたころ。
それが今では、もう真夏のような暑さを覚悟する季節になっているなんて——。

最近では、北海道でお米がよく育つようになってきたとか、
自分が住む島根県でみかんの適地になったと言った新聞報道もありました。
どちらも昔なら考えられなかったようなことで、驚くばかりです。

「本当に、そんなに気温って上がってきているんだろうか?」
そう思った自分は、気になってChatGPTくんに相談して
松江の過去50年分の月別気温データを集めて整理してもらいました。

子供の頃も夏はかなり暑かったように思うのですが、数字にすると、見えてくるものがあります。
今回は、そのデータをもとに、季節の感覚がどう変わってきたのか、
少しゆっくり振り返ってみたいと思います。


松江の月別平均気温の変化(1974年・2004年・2024年)の推移

1974年2004年2024年上昇値(℃)上昇率(%)※
1月4.6℃5.2℃6.3℃+1.7℃+36.96%
2月5.0℃5.7℃7.9℃+2.9℃+58.00%
3月8.0℃9.0℃12.8℃+4.8℃+60.00%
4月13.1℃14.0℃16.8℃+3.7℃+28.24%
5月18.0℃19.0℃20.8℃+2.8℃+15.56%
6月21.7℃22.5℃23.1℃+1.4℃+6.45%
7月25.8℃26.5℃27.7℃+1.9℃+7.36%
8月27.1℃28.0℃29.0℃+1.9℃+7.01%
9月22.9℃23.5℃27.0℃+4.1℃+17.90%
10月17.4℃18.0℃19.5℃+2.1℃+12.07%
11月12.0℃12.5℃13.6℃+1.6℃+13.33%
12月7.0℃7.5℃9.1℃+2.1℃+30.00%

【補足】

  • 上昇値(℃) は、1974年と2024年の平均気温の差です。
  • 上昇率(%) は、1974年を基準に、2024年がどれだけ上がったかの割合です。(※1桁の温度の場合は上昇率が高くなりますので、一概に単純比較はできませんのでご理解ください。)

春と秋が「なくなった」と感じる理由

最近よく耳にするのが、「春と秋が短くなった気がする」という言葉。
この表を見ていると、それは気のせいではなく、確かな変化として現れているようです。

🌸 春はもう「初夏のよう」

3月は50年前よりも4.8℃も高くなっており、上昇率は+60%。
「肌寒さの残る春」ではなく、日中はTシャツ1枚でも過ごせるような暖かさです。
桜の開花も早まり、春の風物詩が少しずつ前倒しになってきました。

4月・5月も確実に上がっていて、「春物の服を着る時期がなくなってきた」という声にも納得です。

🍁 秋も「残暑の続き」に

9月の平均気温は+4.1℃、10月・11月も上昇しています。
昔のような「朝夕の涼しさ」を感じる日が減り、
「まだ暑いなあ…」と思っているうちに急に冬がやってくる、そんな印象です。


夏と冬も、確実に「変わって」いる

☀️ 夏の暑さは、もう「命に関わる」レベルに

7月・8月の気温上昇は+1.9℃。
もともと暑かった月だけに、上昇幅が大きくなくても体感の厳しさは倍増です。
自分の子供の頃は「熱射病」と言っていましたが、実は今で言う熱中症の一部(最重症)であり、太陽の下だけでなく、家の中でも起こりえる熱中症という言葉が一般化したのも、時代の変化を象徴しているのかもしれません。

❄️ 冬の寒さも、やわらいでいる

1月・2月・12月はすべて+2℃前後の上昇。
「雪が少ないね」「霜が降りないね」
そんな声が聞かれるようになったのも、気温の変化と関係していると感じます。


数字が教えてくれる、心の中の「違和感」

こうしてデータを見つめてみると、
自分たちの「最近、季節が変わってきた気がする」という感覚は、
決して思い過ごしではなかったとわかります。

季節のリズムが変わっていく中でも、その環境に合わせて
空の色や風の音、土の匂いを感じながら、
これからも自然と寄り添う暮らしを大切にしていきたいと思います。

そして、こうした変化に気づいた今、
環境にやさしく共に生きる感覚で私たちにできることを少しずつでも始めていけたら——
そんな願いを込めて、この記事を書きました。

今日も佳き日に

コーチミツル

この記事が気に入ったら
いいねしてね!

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!