
「伝手(つて)で仕事が決まった」
そう聞くと、ちょっとズルしたような印象を持たれること、ありませんか?
実は、伝手(つて)って言葉ですが、漢字を今日初めて知りました…。(苦笑)
でも同じような状況でも 「ご縁があって声をかけてもらいました」なんて言うと、 なんだか急にポジティブに聞こえる。不思議ですよね。
自分自身、バンドのお誘いや研修講師のご依頼など、 誰かを通してお話をいただくことがほとんどです。
でもそのたびに、「伝手って悪いことなのかな?」って、ちょっとモヤッとすることもあって。
今回はそんな「伝手」という言葉に向き合ってみたいと思います。
「縁」とはどう違うのか?なぜ悪いイメージがついちゃったのか?
自分の中にあった疑問をChatGPTに相談しながら紐解いていこうと思います。
「伝手」ってそもそも何?
「伝手(つて)」っていう言葉、
なんとなく“誰かに頼って仕事を得る”っていうイメージが強いかもしれません。
でもこの言葉、語源をたどると「伝える手」=「間に立ってくれる人」という意味なんです。
つまり、「知り合いを通じて紹介してもらう」みたいな時に使われる言葉で、 もともとズルいとか不公平って意味は全然ないんですよね。
伝手(つて): 人にものを頼んだりするときにたよる手がかり。また、関係のある人。(広辞苑)
なんで伝手=ズルいって思われがちなの?
たぶんこれ、「コネ入社」とか「縁故採用」みたいな言葉とごちゃ混ぜになってるんだと思うんです。
たしかに、実力じゃなくて知り合いだからってだけで決まっちゃうことがあれば、それは不公平に感じますよね。
でも、本来の伝手っていうのは、 「この人なら安心して任せられる」と紹介してもらえるような信頼関係がベースにあるんだと思うんです。
自分も過去に紹介していただいたお仕事は、 「この人と組んだら面白そう!」って思ってもらえた結果だと感じていますし、自分も企業からの依頼で研修講師を紹介するときにHP検索で見つけた人より、研修を受けて感銘を受けたり、人柄を知ったうえで紹介することがほとんどです。広島勤務時代に習っていたトランペットの河村師匠もJAZZピアノの先生に紹介していただきました。
なのに、「伝手」って言っただけで「え、ズルしてるの?」って思われるのは、 ちょっと言葉の印象が先に走っちゃってるなあ…って思うんです。
「縁」と「伝手」の違いって?
項目 | 縁(えん) | 伝手(つて) |
---|---|---|
意味 | 出会い・つながりそのもの | つながりを使って動く手段 |
ニュアンス | 温かくて偶然っぽい | 現実的で能動的 |
例え話 | 偶然電車で再会→「縁だね〜」 | 友人に紹介してもらう→「伝手があった」 |
つまり、「縁」は関係そのもの、「伝手」はその縁をどう活かすかってことなんです。
「縁があった人に紹介してもらって、新しいご縁がつながる」なんてこともあるので、
両方は切っても切れない関係なんじゃないかな、と思います。
伝手って、信頼のリレーみたいなもの
自分の場合、ライブのお誘いも、講師のご依頼も、 いつも「誰かを通して」いただくことが多いです。
でもそれって、紹介してくれる方が「この人なら大丈夫!」って思ってくれてるからなんですよね。
その想いを受け取って、「期待に応えよう」と頑張る。
つまり伝手って、“信頼のバトン”を受け取ることでもあるんです。

言葉の印象に惑わされすぎないで
「伝手」って言葉がちょっと悪者っぽく見えるのは、 言葉のニュアンスが一人歩きしてしまっているだけかもしれません。
実際には、縁も伝手も、人との関係の中で生まれる自然な流れであり、 それを“うまく頼る”ことができるのは、人間らしさのひとつだと思います。
ズルなんかじゃなくて、ちゃんと信頼の上に成り立っていること。
「伝手」という言葉の裏にある、あたたかい人のつながりを、 これからも大事にしていきたいですね。
今日も佳き日に
コーチミツル

参考・引用
- 『広辞苑 第七版』岩波書店
- 『日本国語大辞典』小学館
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