
ここまで5回にわたって、「AIとつくる、暮らしのデータベース」について書いてきました。
始まりは、一枚のレシートでした。
以前の自分は、レシートを手帳に貼っていました。
あとから見返すと、
「あの日、ここへ行っていたな」
「こんなものを買っていたな」
と、その頃のことを思い出すことができたからです。
でも、貼れば貼るほど手帳が分厚くなる(笑)。
だったら、レシートを写真に撮ってAIに読んでもらったらどうだろう。
本当に、それくらいの思いつきでした。
ところが、実際に始めてみると、思っていた以上に話が広がっていきました。
お金の記録だけではなかった
レシートから分かるのは、支払った金額だけではありません。
たとえば、車にガソリンを30リットル入れた。
その日の単価はいくらだった。
お酒を何本買った。
野菜の種や苗をいつ買った。
観葉植物の土をいつ買った。
こうした情報も残っています。
それなら、
「今年、車の燃料にいくら使った?」
だけでなく、
「何回給油した?」
「平均単価はいくらだった?」
という見方もできます。
園芸なら、
「この苗をいつ買った?」
「春にはどんなものを植えていた?」
という記録にもなります。
お酒なら、金額だけでなく、容量やアルコール度数が分かれば、購入した純アルコール量を見ることもできます。
同じ一枚のレシートなのに、見る角度を変えると、違う情報が見えてきます。
データは一つ、見方はいくつもある
これまで自分は、
家計簿は家計簿。
園芸記録は園芸記録。
健康についての記録は健康についての記録。
それぞれ別に記録するものだと思っていました。
でも今回、
元になるデータは一つでいいのかもしれない
と思うようになりました。
まず、暮らしの中で生まれたデータを残しておく。
そして、あとから必要になったときにAIに聞く。
「食費だけ見せて」
「植物に使ったお金は?」
「お酒を買った日は?」
「Amazonでは何を買っていた?」
その都度、違う角度から見ればいい。
入力するときに、使い道を全部決めなくてもいい。
これは今回、かなり面白いと感じたところです。
「290円って何だっけ?」
実際にカード明細を見ていると、
Google One 290円
という支払いがありました。
「これ、何だったっけ?」
調べてみると、Google Driveの容量のために使っているものでした。
確認してみれば、ちゃんと必要な支出でした。
ここが大事なのだと思います。
「サブスクだから削ろう」
ではありません。
何のために払っているのかを知って、自分で判断する。
必要なら続ければいい。
もう使っていないなら、見直せばいい。
第3話で書いた、
AIに答えを決めてもらうのではなく、AIに見えるようにしてもらう。
ということにもつながります。
暮らしを「評価」するのではなく、「知る」
支出のデータを見ていると、
「使いすぎ」
「節約しなければ」
という方向へ行きがちです。
でも、自分がやりたいのは、それだけではありません。
苗を買った。
トランペットに使った。
家族との時間に使った。
お酒を買った。
そして、ときにはお酒を飲んだ勢いでAmazonをポチッとした(笑)。
それも全部、自分の暮らしです。
もちろん、見直した方がいいものもあるでしょう。
でも、まずは、
「自分はこんな暮らしをしているんだな」
と知る。
そこから、
「これはこれからも大切にしたい」
「これは少し変えてみようかな」
と自分で選ぶ。
そんな使い方ができればと思っています。
記録する、振り返る、照合する、守る
全6話を書きながら、「暮らしのデータベース」の役割も少しずつ見えてきました。
最初は、
記録する。
レシートを写真に撮って、暮らしのデータとして残す。
次に、
振り返る。
何にお金を使ったのか、どんなものを買ったのかを見る。
そして、
照合する。
レシートとカード明細をつないで、記録漏れや重複を確認する。
さらに、
守る。
二重払い、使っていないサブスク、身に覚えのない決済など、「ちょっと確認した方がいいもの」に気づく。
一枚のレシートから始まったものが、ここまで広がりました。
でも、何でも残せばいいわけではない
一方で、第2話で書いたことも忘れないようにしたいと思います。
暮らしが見えるデータだからこそ、プライバシーにも気をつける。
カード番号全体、セキュリティコード、住所や電話番号など、分析に必要のない情報は残さない。
医療などの情報は、さらに慎重に考える。
残せる情報と、残す必要がある情報は違う。
便利さと安全性の両方を考えながら使っていきたいと思います。
ここからが、本当の実験
実は、このシリーズを書いている時点では、まだ始めたばかりです。
だから、
「この方法は素晴らしいですよ」
と結論を出すことはできません。
面倒になって続かないかもしれません(笑)。
思っていたほど役に立たないデータもあるでしょう。
逆に、
「こんなことまで分かるのか」
という発見が出てくるかもしれません。
だから、全6話はここで終わりますが、実験はここから続きます。
日々のレシートを写真に撮る。
月に一度、カード明細と照合する。
そして、ときどきAIに自分の暮らしについて聞いてみる。
数か月後。
データがたまったところで、もう一度振り返ってみたいと思います。
そのとき、
お金の使い方だけではなく、
食べること。
飲むこと。
車に乗ること。
植物を育てること。
趣味を楽しむこと。
そんな自分の日々が、データの向こうから少し見えてくるかもしれません。
AIとつくる、暮らしのデータベース。
一枚のレシートから始まった実験ですが、考えてみればこれは、
「自分は、どんな暮らしをしているのだろう?」
を知るための試みなのかもしれません。
まずは、続けてみます。
そして数か月後、このデータから何が見えてくるのか。
自分自身も、少し楽しみにしています。
「AIとつくる、暮らしのデータベース」全6話 完
今日も佳き日に
コーチミツル
最後に、AIに入れる情報について
今回の実験でもう一つ大切だと思ったのが、AIに入力する情報の扱いです。
レシートやカード明細には、思っている以上に自分の暮らしに関する情報が含まれています。
そこで、AIを使う前に、自分が利用しているサービスのプライバシー設定や、入力したデータがどのように扱われるのかを確認しておく必要があります。
自分が使っているChatGPTの場合、2026年10月現在、設定の「データコントロール」にある**「すべての人のためにモデルを改善する」**をオフにすることで、新しい会話をモデル改善に使用しない設定にできます。
Gemini、Claude、Copilotなど、ほかの生成AIにもデータの取り扱いやプライバシーに関する設定があります。ただし、サービスや利用プランによって仕組みが異なり、設定内容も変更される可能性があります。
ですから、「どのAIなら絶対に安全」ということではなく、自分が使うAIの最新の設定とデータの取り扱いを確認してから使うことが大切だと思います。
そして、設定以上に大切なのは、そもそも必要のない情報をAIに渡さないことです。
自分の場合、この暮らしのデータベースでは、
・カード番号全体
・セキュリティコード
・不要な住所や電話番号
・分析に必要のない個人を特定する情報
などは、できるだけ記録しないようにします。
カード明細との照合などで必要な場合は、カード番号の下4桁のように、必要最小限の情報だけを使います。
「残せる情報」と「残す必要がある情報」は違う。
AIが便利になればなるほど、この線引きは自分自身で持っておきたいと思います。
なお、このレシートデータベース化を実際に試される場合は、利用するAIサービスの個人情報保護やプライバシーに関する設定、データの取り扱いなどを十分に確認した上で、ご自身の判断と責任で行っていただきますようお願いします。本記事は、自分自身が試している方法や体験を紹介するものであり、個人情報やデータの安全性を保証するものではありません。
※上記のAIサービスの設定やデータの取り扱いは変更される場合があります。実際に利用する際は、それぞれのサービスの最新情報をご確認ください。
次回は番外編として、数か月後に「実際に続けてみて分かったこと」を書いてみたいと思います。
今日も佳き日に
コーチミツル
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