
十七条憲法を今の時代に読むということ
これまで19回にわたり、
聖徳太子の「十七条憲法」を一条ずつ読みながら、
その言葉に込められた意味を考えてきました。
1400年以上も前に書かれた言葉ですが、
読み進めるほどに、
現代にも通じる知恵が多く含まれている
ことに気づかされます。
最終回となる今回は、
これまでの条文を振り返りながら、
十七条憲法が私たちに何を伝えているのかを
改めて考えてみたいと思います。
和を大切にするということ
十七条憲法の第一条は、
とても有名な言葉から始まります。
和を以て貴しとなす
「和」を大切にするという考え方は、
日本人の文化の根底にあるものと言われています。
ただ、この「和」という言葉は、
単に衝突を避けることではないように思います。
互いの立場を尊重しながら、
話し合い、理解し合い、
よりよい方向を探していく。
そんな姿勢が、
本来の「和」なのかもしれません。
公と私を分けるということ
十七条憲法には、
私心を持たないことや、
役割を守ることなど、
公を大切にする姿勢
が繰り返し説かれています。
これは現代の言葉で言えば、
「公私の区別をつける」ということに
近いのかもしれません。
組織や社会の中で物事がうまく進むためには、
それぞれが自分の立場を理解し、
責任を果たしていくことが
大切なのだと思います。
最後に置かれた言葉
そして十七条憲法の最後、
第17条にはこう書かれています。
事(こと)は独(ひと)り断(きだ)むべからず、
必(かなら)ず衆(しゅう)と論(あげつら)うべし。
物事は一人で決めてはならない。
必ず人々と議論して決めなさい。
十七条憲法の最後に
この言葉が置かれていることには、
大きな意味があるように感じます。
自分はこれまでの会社生活や、
コーチングの活動を通して、
組織や社会がうまくいくかどうかは、
最後は人と人の関わり方によるところが大きいのではないか
と感じることが多くありました。
もちろん、これがすべてとは言えません。
しかし組織研究の分野でも、
似たようなことが指摘されています。
たとえばGoogleが行った
「プロジェクト・アリストテレス」という研究では、
成果を上げるチームの共通点として
能力や学歴よりも
心理的安全性
(安心して意見を言える関係性)
が重要であることが示されました。
また組織心理学者
エイミー・エドモンドソンの研究でも、
・自由に発言できる関係
・互いを尊重する文化
がチームの成果に影響することが
知られています。
1400年以上前に書かれた
「独り断むべからず、衆と論うべし」
という言葉が、
現代の組織研究とどこか通じているようにも
感じられるのは、とても興味深いことです。
形だけではない合議
独断で決めないということは、
とても大切なことだと思います。
世の中を見ていると、
うまく進んでいるように見えても、
どこか変な方向に進んでいるように
感じることがあります。
それは、
・一人の判断に頼りすぎていたり
・公と私が混ざっていたり
・本当の議論が行われていなかったり
そんな時に起きることが
多いようにも思います。
だからこそ大切なのは、
形だけの合議ではなく、
実のある合議
なのではないでしょうか。
今の時代だからこそ
今の世界は、
何が起こるかわからない時代とも言われます。
社会の変化は速く、
価値観も多様になっています。
そんな時代だからこそ、
一人の判断だけではなく、
互いの考えを持ち寄り、
対話を重ねながら進んでいくことが、
これまで以上に
大切になっているのかもしれません。
だからこそ今一度、
自分たちの行いを振り返り、
十七条憲法を読み直してみる。
そしてそこに書かれている知恵を、
日々の行動の中に
少しずつ落とし込んでいく。
そんなことも
意味のあることのように思います。
十七条憲法から学んだこと
このシリーズを書きながら、
改めて感じたのは、
十七条憲法は
古い法律ではなく、
今を生きるヒントの宝庫
だということでした。
1400年前の言葉が、
今の私たちの生き方にも
静かに問いかけてくれている。
そんなことを感じながら、
このシリーズを終えたいと思います。
この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・
今日も佳き日に
コーチミツル
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