
聖徳太子の十七条憲法の中で、
とても人間らしい条文があります。
第十四条です。
群臣百寮(ぐんしんひゃくりょう)、嫉妬(しっと)あることなかれ。
我既嫉人(われすでにひとをねためば)、人亦嫉我(ひともまたわれをねたむ)。
嫉妬之患(しっとのうれい)、其極(そのきわみ)を知(し)らず。
群臣百寮とは、
多くの役人や官僚のこと。
つまり、
役職にある者は、嫉妬してはならない。
という教えです。
そして聖徳太子は続けます。
自分が人を嫉めば、
人もまた自分を嫉む。
嫉妬は連鎖し、
どこまでも広がっていく。
だからこそ
役職にある人ほど
この感情を扱う必要があると説いています。
才能ある人ほど妬まれる
さらに条文はこう続きます。
自分より知恵がある人が現れると
人は喜ばない。
自分より才能がある人が現れると
人は嫉妬する。
これは現代でも
よく起きることではないでしょうか。
優秀な人が現れると
・あの人は運がいい
・あの人は特別扱いだ
・自分の方が努力している
そんな空気が生まれることがあります。
そしてこの空気は
静かに組織を弱くしていきます。
賢い人がいても活かせない
聖徳太子は
さらに重要なことを言っています。
賢者に出会うことは
五百年に一度。
聖人に出会うことは
千年に一度。
しかし嫉妬があると
その人を受け入れられない。
するとどうなるか。
賢い人がいても、国は良くならない。
これは組織でも同じです。
嫉妬がある組織では
優秀な人ほど力を発揮できなくなります。
ジェラスマネジメント
以前ブログでも触れましたが
感情のコントロールに
ジェラスマネジメント
という考え方があります。
嫉妬を否定するのではなく
扱うことが重要だという考えです。
人は誰でも
・比較する
・羨む
・妬む
そういう感情を持っています。
問題は
嫉妬そのものではなく
それをどう扱うかです。
コーチングの問い
コーチングのセッションでも
似た場面があります。
誰かの成功を見て
モヤモヤしたとき。
こんな問いをすることがあります。
「その人の何に心が動いていますか?」
嫉妬の奥には
本当は自分が望んでいるもの
が隠れていることがあります。
嫉妬はエネルギーにもなる
嫉妬は
扱い方によって
・破壊の感情
にも
・成長のエネルギー
にもなります。
聖徳太子は
その危険性を指摘しました。
現代の私たちは
それを
成長の燃料
に変えることもできます。
千年以上前のマネジメント
十七条憲法は
604年につくられたといわれています。
1400年以上前です。
それでも
嫉妬
組織
人間関係
についての洞察は
驚くほど現代的です。
人間の本質は
昔も今も変わらないのかもしれません。
最後に
もし今
誰かに嫉妬しているとしたら。
それは
まだ使っていない自分の可能性(伸びしろ)
かもしれません。
嫉妬を
破壊ではなく
成長に変える。
それもまた
一つのマネジメントなのかもしれません。
この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・
今日も佳き日に
コーチミツル
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参考文献
・『日本書紀』巻第二十二
・津田左右吉『聖徳太子十七条憲法』岩波文庫
・梅原猛『聖徳太子』集英社
・中村元『聖徳太子の思想』岩波書店
・コーチミツルブログ
https://coach-mitsuru.com/archives/3016
https://coach-mitsuru.com/archives/1695