
「推しは推せるときに推せ」
この言葉を、あなたはどこかで耳にしたことがあるかもしれませんが、好きなアイドルやキャラクター、歌手などを活動している今のうちに全力で応援することの意味ですが、同名の漫画がヤングガンガンで連載されています。実は、今朝自分は、初めてこのことわざ??を知りました(笑)
たしかに、推しの活動には“今”しかない瞬間がある。だからこそ、後悔しないように応援したい。
でもこの言葉は、ときに私たちを焦らせたり、迷わせたりもします。
今日は、自分自身の過去の経験を通してこの言葉の“重み”と“バランス”について考えてみようと思います。
「また今度」が来なかった後悔
以前、幼馴染であるHilo Aoto(自分はアットと呼んでいました)と一緒に作った曲が、3年前の10月東京の目黒で初めて演奏される機会がありました。
私にとっても、アットにとっても、特別な瞬間になるはずでしたが、その日は仕事が重なっていて、「また次がある」と当時は行かない選択をしました。アットも優しい性格でしたので「無理しないで」と言ってくれたので、少し安心していた部分もありました。
ところがその半年後、アットは体調を崩し、帰らぬ人となってしまったのです。
そして、その曲がアットの歌声として生で演奏されることは二度とありません。
「行っておけばよかった」と、何度も思いました。
行かない選択が“正解”だったこともある
一方で、すべての“推せるとき”に行動できるわけではありません。
高校時代、憧れていた日野皓正さんのライブが、地元で開催することとなり、チケットは買ったものの試験の日と重なってしまったことがありました。本当に迷いました。でもその時は、自分の将来にとって大切な試験を優先しました。
結果的にライブには行けなかったけれど、このときの選択に今でも後悔はありません。何より大人になってから日野皓(ひのてる)さんのライブにも行くこともできました。
「行けなかったけど、それでよかった」と思えることもある。
それもまた、自分にとっての“正しい選び方”だったのだと思います。
推すということは、形じゃなく気持ち
今、自分はジャズトランペッターの黒田卓也さんを推しています。
ライブに足を運べないことが多いけれど、都合がつけば行きますし、TシャツやCD、LPレコード、ピンバッジなど、自分なりの形で応援を続けています。
音を聴くだけで元気になれる、気持ちが整う。
それが自分にとっての「推し活」であり、人生の楽しみのひとつです。
比べない、競わない、自分のペースで
SNSの時代、つい「誰が一番推してるか」みたいな空気が生まれることがあります。
ライブへ行った回数、グッズの量、最速情報の拡散…
でも、推し活って本来そんな競争じゃないはずです。
「行けなかったライブがあるから推してない」なんてことはない。
「グッズが少ないから弱いオタク」なんて、誰にも決められません。
大事なのは、どれだけ“好き”という自分の気持ちを大切にできているか。
他人と比べる必要は、まったくないんです。
本当の「推しは推せるときに推せ」
たしかにその通り。だけど、すべてを最優先する必要はありません。
大切なのは、“そのときの自分”が納得できる選択をすること。
行く選択も、行かない選択も、それが自分の気持ちに正直なら、どちらも間違いじゃない。
そして何より、自分自身を大切にすること。
推しを想う気持ちと、自分を思いやる気持ちは、きっと両立できる。
自分の中でその人や作品を思い続け、応援し続けているなら、それも立派な“推し方”です。
あなたにも、あなたなりの推し方があります。
焦らず、比べず、どうか自分のペースで楽しんでください。

今日も佳き日に
コーチミツル