651.『道具の記憶をたどってみた』第2話 つながった、それだけで嬉しかった

最初のパソコンはNEC CanBe

自分が最初に買ったパソコンは、Windows 95が入ったNECのCanBeでした。

今のように、買ってきてすぐにインターネットへつながる時代ではありません。

電話回線にモデムをつなぎ、通信するためのソフトを設定しなければなりませんでした。

通信速度は、記憶では1万数千bps。おそらく14.4kbpsほどだったと思います。

今から考えると、とてもゆっくりした通信です。それでも、家にいながら外の世界とつながることができました。

最初の頃は、メールを確認する程度だったと思います。

設定するだけでも難しかった

モデムの設定も、通信ソフトの設定も簡単ではありませんでした。

説明書を読みながら数字や項目を入力し、つながらなければ、また設定を見直します。

何が違っているのかも、よく分かりません。

パソコンは、思ったようには動いてくれませんでした。

その後、Mosaic(モザイク)というブラウザーを使うようになりました。これも、使えるようにするまでの設定に苦労した記憶があります。

今なら、ブラウザーのアイコンを押せば、すぐに世界中の情報が表示されます。

当時は、その入口までたどり着くこと自体が、一つの作業でした。

NBAのホームページが現れた

CanBeを買ってから1年ほどたった頃だったでしょうか。

Mosaicを使って、NBAのホームページを見ました。

アメリカのプロバスケットボールの情報が、自宅のパソコンの画面に表示されました。

画像が少しずつ現れるのを待ちながら、驚いたというより、嬉しかったことを覚えています。

遠いアメリカの情報が、電話回線を通って、自分の部屋まで届いている。

情報の内容だけではありません。

何度も設定をやり直し、ようやく自分の手でつなぐことができた。そのことも、嬉しさを大きくしていたのだと思います。

何台ものパソコンを使ってきた

その後の順番は、少し曖昧になっています。

Compaqのデスクトップを使い、その後もマウスコンピューターなど、しばらくはデスクトップ型を使っていました。

単身赴任になったときには、中古のSONY VAIOを買いました。

単身赴任が終わり実家へ戻ってからは、パソコン工房で部品をそろえ、自分でパソコンを組み立てたこともあります。

ところが、自分の知識不足からか電源の容量が足りず、使っている途中ですぐに落ちてしまいました。

東芝や富士通のパソコンも使い、ここ6、7年ほどはDellのパソコンを使っています。

通信回線も、モデムから、より速いモデムへ変わり、ADSLになり、今は光回線です。

不便だったから覚えている

昔の方がよかった、と言いたいわけではありません。

今のように、簡単に、速く、安定してつながる方が便利です。

ただ、昔は一つひとつ自分で設定しなければならなかったため、初めてつながったときのことを、今でも覚えています。

苦労そのものがよかったのではなく、分からないなりに試して、ようやく動いたときの手応えが残っているのでしょう。

モデムの接続音を待ちながら、画面にNBAのホームページが現れたあの日。

つながった。

それだけで、十分に嬉しい出来事でした。

この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・

今日も佳き日に
コーチミツル

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