464.【全20回シリーズ】第17回 第15条「私(わたくし)を背(そむ)きて公(おおやけ)に向(む)かえ」の意味(聖徳太子の十七条憲法とは何か ― 国家を支える倫理を読み直す) 

十七条憲法の第十五条には、
とてもシンプルで力強い言葉があります。

私(わたくし)を背(そむ)きて公(おおやけ)に向(む)かえ

つまり

私情を捨てて、公のために行動しなさい

という教えです。

ここで言う「私」とは
自分の感情や利害のこと。

そして「公」とは
社会や組織、全体の利益を指します。


人は私情で判断してしまう

しかし人はどうしても

・好きな人
・苦手な人
・気の合う人
・自分と似ている人

などによって判断してしまうことがあります。

それが人間らしさでもありますが、
組織の中では問題を生むこともあります。

例えば

・気に入った人を優遇する
・嫌いな人を評価しない
・能力より感情で判断する

こうしたことが続くと
組織は少しずつ歪んでいきます。

聖徳太子は
それを1400年前に見抜いていたのかもしれません。


嫉妬の次に来るもの

前回の第十四条では

嫉妬するな

という条文でした。

そして今回の第十五条では

私情を捨てよ

と言っています。

嫉妬も私情も
どちらも人の感情です。

つまり聖徳太子は

感情そのものを否定しているのではなく

その感情に
支配されないこと

を説いているようにも感じます。


コーチングでもよくあること

コーチングの場面でも
似たことがあります。

例えば

「この人は苦手だから…」

という感情があると
相手の言葉が正しく聞こえなくなることがあります。

逆に

「この人は好きだから」

という理由で
必要なフィードバックができなくなることもあります。

だからこそ
一度立ち止まり

これは私情なのか、
それとも公の視点なのか。

そんな問いを
自分に投げかけることがあります。


公の視点

「公」という言葉は
少し堅く聞こえるかもしれません。

しかし言い換えると

・全体のため
・未来のため
・みんなのため

という意味にもなります。

私情を完全に消すことは
難しいかもしれません。

でも

私情に気づくこと

それだけでも
判断は変わることがあります。


1400年前のリーダーシップ

十七条憲法は
604年に定められたと言われています。

今から1400年以上前です。

それでも

嫉妬
私情
組織
リーダーシップ

についての洞察は
驚くほど現代的です。

人間の本質は
昔も今も
それほど変わらないのかもしれません。


最後に

私情で動くと
視野が狭くなります。

公に向かうと
視野が広がります。

聖徳太子の言葉は
今の時代にも
静かに問いかけているように感じます。

自分は今、
私で判断しているのか。
それとも公で判断しているのか。

そんな問いを
自分に向けてみるのも
一つのコーチングなのかもしれません。


この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・

今日も佳き日に
コーチミツル

#十七条憲法 #聖徳太子 #私を背きて公に向かえ #リーダーシップ #コーチング #組織論 #判断力 #WellLog


参考文献

・『日本書紀』巻第二十二(推古天皇十二年条)
・津田左右吉『聖徳太子十七条憲法』岩波文庫
・梅原猛『聖徳太子』集英社
・中村元『聖徳太子の思想』岩波書店

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