子どものころ、全日本プロレスで活躍していたジャイアント馬場さんとアントニオ猪木さん。
やがて猪木さんは新日本プロレスを立ち上げ、まんじ固めなど独自の技で観客を沸かせました。
動きの速い試合が好きだった自分は猪木さんに心惹かれ、友だちと顎を突き出して独特のガッツポーズを決めるプロレスごっこをよくしていました。
後年猪木さんが事あるごとに観衆の前で放った、あの長い口上――
「この道を行けばどうなるものか、危ぶむなかれ。
危ぶめば道はなし。
踏み出せばその一足が道となり、その一足が道となる。
迷わず行けよ、行けばわかるさ。
元気があれば何でもできる!
1、2、3、ダーッ!」
会場全体が一体になる瞬間。その中でも心に残るのが
「迷わず行けよ、行けばわかるさ」
です。ここには、**「とりあえずやってみよう」**というシンプルで力強いメッセージが込められていると感じます。
「とりあえずやってみよう」が持つ力
挑戦する前から完璧を求めると、私たちは立ち止まってしまいます。
心理学でも「行動が動機をつくる」とされ、まず一歩踏み出すことで脳のやる気を司る側坐核が活性化することがわかっています(Salamone, 2016)。
迷わず行く=とりあえずやってみることが、次の行動を呼び込み、結果的に自分の可能性を広げるのです。
元気が挑戦の土台
もちろん一歩を踏み出すにはエネルギーが必要です。
睡眠不足や病気で体調が崩れると側坐核の働きが鈍り、やる気も低下することが報告されています(Krause, 2017)。
健康は挑戦の“スタートライン”。
だからこそ猪木さんは最後に、こう締めくくりました。
「元気があれば何でもできる!」
年齢を重ねても“挑戦する元気”は育てられる
年を重ねれば体力は衰え、「元気」と言い切れない日も増えます。
それでも挑戦する元気は、日々の習慣で育てられます。
- 体を守る元気:十分な睡眠、バランスの良い食事、無理のない運動
- 心を養う元気:感謝や小さな達成感を積み重ね、ドーパミン分泌を促す(Ashby, 1999)
- 環境から得る元気:応援してくれる仲間や、刺激をくれるコミュニティ
「無病息災より一病息災」という言葉もあります。小さな不調がある人ほど体を気づかい、結果的に大病を防ぐ――その知恵は、完璧な健康ではなく自分の体と向き合い調整することの大切さを教えてくれます(厚生労働省 2023)。
元(もと)の気という考え方
ここで「元気」という言葉を見つめ直すと、「元」と「気」。
生まれたときに誰もが持っている“もとの気持ち”、
つまり**「もとの気」**こそが、挑戦の原動力ではないでしょうか。
この“もとの気”は、年齢や体力の衰えに左右されません。
足りないものがあっても構わない。
自分のできないことは、誰かがきっと手を貸してくれると信じて、まずは行動してみる――
それこそが「迷わず行けよ、行けばわかるさ」の本質だと感じます。
まとめ
顎を突き出し、独特のガッツポーズを決めながら
「迷わず行けよ、行けばわかるさ。
元気があれば何でもできる!
1、2、3、ダーッ!」
――猪木さんの言葉は、「完璧に準備が整ったら動こう」ではなく
**「とりあえずやってみよう」**という一歩を後押しするメッセージ。
年齢や体力の変化にかかわらず、今日の小さな一歩が未来への道となります。
あなたが今、「とりあえずやってみたい」と感じることは何ですか?
その気持ちこそが、挑戦を続けるための本当の元気かもしれません。
参考文献
- Salamone JD et al., Behavioral Neuroscience, 2016
- Krause AJ et al., Nature Reviews Neuroscience, 2017
- 厚生労働省「生活習慣病対策の現状」2023年
- Ashby FG et al., Psychological Review, 1999
今日も佳き日に
コーチミツル
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