664.人は、誰の目で自分を評価しているのだろう

生まれてから、私たちはさまざまな場面で評価を受けながら生きています。

子どものころは、親や先生から。
学校では、成績や行動で。
大人になれば、仕事の成果や周囲との関わり方で。

頑張っているのに評価されない。
そう感じるのは、やはりつらいものです。

けれど、ふと思います。

自分の行動を、いちばん長く見ているのは誰だろう。

周りの人に見えるのは、その人が目にした場面や、表に出た結果の一部です。その前にどれだけ考え、迷い、準備し、続けてきたかまで、すべてが伝わるわけではありません。

その過程を知っているのは、少なくとも自分自身です。

自分の評価と、他人の評価には時間差がある

自分は、今の自分を見ています。

以前と比べて何が変わったか。
何を考え、どんな行動をしているか。
頑張っていることや、まだできていないことも含めて、今の自分を感じています。

一方で、他人が見ているのは、その人が接した場面です。以前からの印象や、これまでに見てきた姿を通して、今の自分を見ていることもあるでしょう。

そのため、自分では変化を感じていても、周りの評価がすぐには変わらない。反対に、少し前の評価が、時間が経ってから届くこともあります。

自分は今を生きている。
けれど、他人の評価には、過去の印象が重なっていることがある。

自分は、そんな時間差を実感することがあります。

もちろん、他人の評価が間違っていると言いたいわけではありません。見ている場面や時間が違えば、受け取る印象にも差が生まれるのだと思います。

だからこそ、他人の評価だけで今の自分を決めつけず、自分の行動を自分でも見つめていたいと思います。

人事評価に感じていること

人事評価について、興味深い調査がありました。

企業で働く一般社員300人を対象にした調査では、現在の人事評価に納得していない人は43.0%でした。不満や疑問として、「上司の主観が強い」が42.7%、「評価基準が不明確」が40.7%と回答されています。

また、「頑張りやプロセスが評価されにくい」と感じる人は30.7%、「日々の業務実態を十分に見てもらえていない」と感じる人は20.7%でした。

別の調査では、人事評価を嫌いだと答えた人の74.2%が、上司との面談は成長にプラスになると回答しています。評価の仕組みへの不満と、面談への期待は、両立するのかもしれません。

この結果は、コーチとして少し期待したいところでもあります。

面談の時間を設けるだけでなく、相手にとって「話してよかった」「次につながる」と感じられる対話になっているか。自分自身も振り返りたいと思いました。

評価は、その人のすべてではない

評価は、仕事を振り返ったり、次の行動を考えたりする手がかりになります。

一方で、評価はその人のすべてを表すものではありません。評価する人にも見えている範囲があり、判断する人の考え方や基準も影響します。

だから、評価されなかったときに、すぐ「自分には価値がない」と結びつける必要はないと思います。

「自分は何を大切にして、その行動をしたのか」
「自分自身が、納得できる行動だったか」

そこを振り返ることも大切なのではないでしょうか。

もちろん、自分の見方だけで決めてしまえば、気づけないこともあるでしょう。人からの評価やフィードバックに耳を傾けることも必要です。

それでも、誰かの評価だけに自分の価値を預けるのではなく、自分の行動を自分で見つめていたいと思います。

自分を甘やかすという意味ではありません。自分の行動を振り返り、必要なら学び、次に生かす。そのうえで、自分が良しと言える行動を重ねていきたいのです。

コーチとして、事実を伝える

自分はコーチとして、相手を決めつけたり、評価したりするのではなく、まず自分が見た事実を伝えたいと思っています。

たとえば、「あなたは自信がないですね」と人柄を判断するのではなく、「今、この話になったとき、少し長い沈黙がありました」と、実際に見聞きしたことを伝える。

その事実が相手にとって役立つと思うときには、フィードバックとして差し出したい。必要な場面では、伝えてもよいか確かめてから言葉にする。受け取るかどうかを決めるのは、相手です。

評価されることを避けるのではなく、評価を自分のすべてだと思い込まない。
他者の視点を受け取りながら、自分自身の行動にも目を向ける。

他人の評価に時間差があるとしても、今の自分がどんな行動を選ぶかは、自分で考えることができます。

誰かに認められるかどうかだけでなく、自分が「よし」と言える行動をしていきたいと思います。

この言葉が、必要な人に、必要な時に、届きますように・・・

今日も佳き日に

コーチミツル

出典

社員が嫌う制度トップは「人事評価」で約3割。一方で「フィードバックがほしい」という本音も|FirstHR
2026年3月23〜25日実施。全国の20〜49歳の正社員262人を対象としたインターネット調査。「人事評価を嫌い」と回答した人のうち、74.2%が上司との面談を成長にプラスと回答。

「43.0%」が人事評価に納得していない!?300名への調査で見えた評価制度の見直しポイント|労務SEARCH
企業で働く一般社員300人を対象とした調査。

#人事評価 #自分を評価する #努力が見えない #評価の時間差 #フィードバック #コーチング #自分が良しと言える行動

【参 考】過去のブログ

244. 見せる努力と、見せない努力。どちらも本物なら輝く
努力が人に見えること、見えないことと、評価や信頼の関係を考えています。Coach Mitsuru283. 応援したくなる人になろう
誠実に挑戦しても反応が返らないことがあり、外の反応だけに頼らず、自分の行動を自分で肯定する力が大切だと書いています。今回の「頑張っているのに評価されないつらさ」に近いです。Coach Mitsuru530. “場の空気”で動くのか、“自分”で動くのか
評価されたい気持ちや、よく思われたい気持ちで動くのか、自分の内側から動くのかを扱っています。Coach Mitsuru636.「見ている」と「見えている」は違う
コーチとして観察した事実を評価や決めつけにせず、必要なら問いとして相手に返す姿勢が書かれています。今回の「事実を伝え、必要と思われたらフィードバックする」という考えとつながります。


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