子どもの頃、おばあちゃんがよく姉の名前を言ってから自分の名前を呼んだ
自分が小さいころ、祖母はよく姉の名前を言ってから、改めて自分の名前を呼び直していました。
当時は「なんで間違えるんだろう?」と不思議に思っていたのを覚えています。
でも大人になった今、まったく同じことを自分が子どもたちにしているのです。
3人の子どもを呼ぶとき、思っている子の名前がスッと出てこなくて、別の2人の名前の方が先に口に出る。
「違う違う…」と笑いながら言い直す、あの感じです。
しかも面白いのは、それがいつも同じ順番じゃないということ。
“本命以外”の名前がポンポン出てきて、最後に対象の子の名前にたどり着く。
自分でも「なんでこうなるんだろう」と不思議に思っていました。
調べてみると、これは“よくあること”だった
心理学では、家族の名前を呼び間違える現象を misnaming(ミスネーミング) と呼びます。
調べてみると、多くの家庭で起きている“普通のこと”だと知りました。
脳の仕組みはとても面白くて、私たちは家族を「誰かひとり」としてだけではなく、家族というひとつの大きなかたまり”として記憶しているそうです。
だから、一人を呼ぼうとしたときに、そのフォルダの中の名前が一斉にポンッと浮かび上がってしまい、口に出る直前で他の名前がすべり込んでしまう。
これを知ったとき、「脳にバグがあるのかな?」と思っていた気持ちがすっと軽くなりました。
名前を間違えるのは、「差がないほど大切に思っている証拠」
ここでひとつ、大事な気づきがありました。
おばあちゃんが自分の名前を間違えたときも、自分が子どもたちの名前を取り違えてしまうときも、その背景にあるのはきっと同じです。
どの子も、同じくらい大切で、同じくらい心の中にいるということ。
優先順位がつけられないから、誰か一人を呼ぼうとしたときに、その“家族のかたまり”の中の名前が平等に浮かび上がってくる。
そう考えると、名前の呼び間違いは、「大切な存在がいくつもある」という、とても人間らしくて、あたたかい現象なんだと思えてきます。
調べて救われた気がした
最初は、自分の脳がおかしいのかと思いました。
家族の名前を取り違えるなんて、自分だけの癖だと思っていました。
でも、科学的な背景があることを知って、「あぁ、これは不安に感じる必要のないものなんだ」と救われるような気持ちになりました。
むしろ、順番なんてつけられないほど、みんな大切なんだ。
そう思えるようになりました。

最後に、あなたへ問いかけです。
あなたには、順番なんてつけられないほど大切だと思える存在が、いくつありますか?
今日も佳き日に
コーチミツル
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